27話 おめでとう、二回戦は不戦勝でお前の勝ちだ、砦。三回戦の相手が、まだ準備中だから、控室で弁当でも食って待っていてくれ。
27話 おめでとう、二回戦は不戦勝でお前の勝ちだ、砦。三回戦の相手が、まだ準備中だから、控室で弁当でも食って待っていてくれ。
「オング、ダクタ、リンカ。ネブトッド、ヂン。フングルイ、ムグルウナフ、ミゼーア、ンガァ・グア、ナ・フルタグン。
イア・イア! ミゼーア、フタグン!!
イア・イア! ミゼーア、フタグン!!!」
直後、さっきと全く同じ流れで、『バキバキに拘束されたミゼーア』が現れる。そのミゼーアを、当然のように、捕縛&捕食していく砦。
ウムルDとミゼーアを完全捕食してから、
砦は、両手を広げて、
パチンと指を鳴らした。
すると、背中に『ミゼーアを模した翼』が生えてきて、
周囲に、無数の『ウムルDを模した浮遊する銃器』が出現する。
「さあ、センエース。第二回戦と行こう」
「おめでとう、二回戦は不戦勝でお前の勝ちだ、砦」
センは、死んだ顔で、パチパチと拍手をして、
「三回戦の相手が、まだ準備中だから、控室で弁当でも食って待っていてくれ。準備にザっと2兆年ほどかかるらしいが、お前ほどのアウターゴッドなら、その程度の時間は秒だろ?」
どうにか、戦いを先延ばしにしようと画策するセンだが、
しかし、そんな質の低い挑発に乗ってくれる砦じゃなかった。
言葉なく、豪速で詰め寄ってきて、
センに連撃をぶちこんでくる砦。
一発一発が重すぎて、普通に泣くセンエース。
「ぷぎぃいい! ぷぎぃいい!」
センは豚のように泣きわめきつつも、
どうにか、砦の連撃をさばいていたが、
……砦をテクニカルに援護している『大量ウムルDガン』の連射を処理することができず、
「うんぼらげぇええええええええっっ!!」
えげつない連射で、綺麗なハチの巣になるセン。
死んでいないとおかしいダメージを受けたが、
「うんげぇ……おんげぇ……」
センは、もはや、当たり前のように死んでおらず、
全身、頭のてっぺんからつま先までズタズタグッチャグチャだが、
普通に息をしており、どうにかこうにか空間を這いずっている。
「く……くそ……こんなもん……どないせぇっちゅうんじゃ……」
あまりにも悪すぎる状況に、まっとうな弱音が飛び出す。
心の強さと我慢強さに定評のあるセンさんだが、流石に相手が悪すぎた。
「やべぇ……普通に死ぬほど強ぇ……正直、勝てる気しねぇ……」
そんなセンのもとに、砦はゆっくりと近づいてきて、
「素晴らしい生命力だな、センエース。もはや、何週もまわって、芸術的と言えよう。その、異常耐久力に加えて、無限に連発できるオメガバスティオン。……今の私でも、貴様を殺すのは至難の業」
と、素直な感想を口にしてから、
「だから、もう少し、貴様から、力を奪おうと思う」
「これ以上、徴収されたら……干上がっちゃうよ」
と、軽口をたたくので精一杯のセンから、
砦は容赦なく、
「ルナ……おいで」
そう言いながら、
センが着込んでいる『メギド・ルナ・センエース』に手を差しのべる。
そんな砦に対し、センは、鼻で笑ってから、
「ふっ……愚かな」




