24話 最強の盾と最強の矛、どっちが勝つか試してみようじゃねぇか! 俺、どっちかといえば、矛側に立ちたいんだけど、そんな俺の感情論はこの際、不問とする!
24話 最強の盾と最強の矛、どっちが勝つか試してみようじゃねぇか! 俺、どっちかといえば、矛側に立ちたいんだけど、そんな俺の感情論はこの際、不問とする!
「てめぇ……量産型みたいなツラしているくせに、総合的に、偏差値鬼高ぇじゃねぇか、このやろぉ……しゃーねぇなぁ……」
そう言いながら、センは、自分の胸部に、自分の右手を突っ込んでいく。
血を吐きつつ、センは、自分の胸部から、黒い血の塊みたいなものを取り出すと、
「おめぇの出番だぞ、シュブニグラスハート!!」
そう呼びかけながら、
黒い血の塊を、手の中でグシャっと握りつぶすセン。
すると、弾け飛んだ黒い破片が、
グニュグニュっと寄り集まり、
センの手の中で、
真っ黒な盾となった。
シュブの盾を装備したセンは、
砦を睨み、
「……最強の盾と最強の矛、どっちが勝つか試してみようじゃねぇか! 俺、どっちかといえば、矛側に立ちたいんだけど、そんな俺の感情論はこの際、不問とする!」
などと叫びながら、
センは、盾を構えて、砦に突撃をしかけた。
盾にオーラと魔力を集中させて、
思考も作戦もクソもない神風特攻をぶちかます。
ミサイルみたいに突撃してくるセンを、
砦は、闘牛士の動きで、軽やかにいなしていく。
回避されたセンは、空中でギュルンと軌道を変化させて、
もう一度、砦に向かって突進。
砦は、極めて冷静に、もう一度、同じ要領で回避しようとした……が、
回避直後に、センが、キキっと急ブレーキをかけて、
「ふんぬらばぁああああっ!!」
シュブ盾を、円盤投げの要領で、
砦の顔面に向かって、思いっきり投げつけた。
投げつけられたシュブ盾は、見事、砦の額にクリーンヒット。
ガギィインッッ!!
と、激烈な音が世界に響き渡る。
砦の額に大ダメージを与えたシュブ盾は、
動画の逆再生みたいに、
正確に、センの手の中に戻っていく。
砦は、額から血を流しながら、
「……その盾も……かなりいいな」
ボソっとつぶやくと、
傷ついた額に、自分の手をねじ込んで、
さらに、傷を大きくしていき、大量の血を噴出させる。
砦の体から噴出された大量の血が、
木の根っこみたいな形状で、
ニョキニョキと爆速で伸びていって、
またもや、センから、所有物であるシュブを奪い取ろうとする。
「おいおいおいおい! 強欲すぎるだろ! シュブまで奪うつもりか!」
逃げようとするのだが、
しかし、
「――【EZZパニッシャー】――」
またもや、拘束魔法で動きを封じられるセン。
砦は、拘束されているセンに、
「二度目だから、一度目ほど長時間の拘束は不可能。それでも、8回以上は破壊する必要がある。……この暴露を積んだことで9回は最低でも破壊しないといけないようになった」
などと、暴露を積みつつ、
ニョキニョキの血で、センから、黒い盾を奪い取る。
センは、超速でEZZパニッシャーを破壊したのだが、
結局、間に合わずに、奪い取られてしまった。
「人が苦労して積み上げた財産を、次から次へと奪いやがって……大泥棒にもほどがあるぞ、くそったれ」




