21話 EZZパニッシャーは、永い時間をかけて磨き上げれば、相手がどれほどの超越者であろうと、数秒~数分ほど足止めすることが可能な、極めて有効な一手となる。
21話 EZZパニッシャーは、永い時間をかけて磨き上げれば、相手がどれほどの超越者であろうと、数秒~数分ほど足止めすることが可能な、極めて有効な一手となる。
「うぜぇええ!! ドリームオーラ・オメガバスティオン!」
キャンセル技で、EZZパニッシャーを消滅させようとするが、しかし、消滅させても、また復活して、絡みついてくる。
「うぇええ?! オメガバスティオンでも、対処できないのぉ?!」
と、だいぶ苦戦している様子のセンを見つめながら、
砦が、冷めた声で、
「……EZZパニッシャーは、練度の低い者が使用すると、『簡単に破壊されてしまうネタ魔法』と化す。が……永い時間をかけて磨き上げれば、相手がどれほどの超越者であろうと、数秒~数分ほど足止めすることが可能な、極めて有効な一手となる。私のEZZパニッシャーは、最低15回以上は破壊されないと、拘束力を失わない。オメガバスティオンで消滅させることは可能だが、カウントを減らすだけで、完全にキャンセルすることは出来ない。……この暴露を積んだことで、最低破壊回数が16回以上となった。精々、頑張って破壊してくれ」
と、説明している間に、
鬼のような顔をしたセンが、
「教えてくれてありがとぉおおおおおおお! ふんぬらばぁあああああああ、ああああああああああああああああああああ、ああああああああああああっっ!!」
何度も何度も、性懲りもなく絡みついてくるEZZパニッシャーを、
えげつない速度で破壊し尽くし、
「はいっ! 16回ぃいいいいいい!!」
すさまじい速度で、規定回数破壊しつくして、
完全に拘束から解放されると同時、
「フルドォオオオオオム!! ドリィイイムオォオオラァアアア! オメガバスティオン!!!」
えげつないほど広範囲に広げたバリアで、
一面に降り注ぐ隕石の群れを、
どうにか、ギリギリのところで、
完全消滅させることに成功したセン。
オメガバスティオンの前では、不滅彗星も、不滅ではいられない。
「はぁ……はぁ……」
真っ青な顔で、息も絶え絶えのセン。
経験したことがない、あまりにも広範囲が過ぎるオメガバスティオンの使用で、体力と精神を一気にすり減らしてしまう。
センは、ゴミを見る目で、砦を睨み、
「バカか、てめぇは……今の隕石……俺が止めなかったら、人類、死滅してたぞ」
「その方が、お互い戦いやすいだろうと慮ってやったのに」
「……やべぇこと言いやがって、くそが……引くわぁ……」
不快感全開の舌打ちを挟んでから、
センは、
「おい、砦……俺は逃げも隠れもしねぇ。『ゴキブリよりキモすぎる俺を是が非でも殺したい』っていう、お前の気持ちは痛いほど伝わった。『俺が死ぬ』か『俺がお前を殺す』かするまで、一生付き合ってやるから、他人を巻き込むな。気分が悪い。今から死ぬのは、俺かお前か、どっちかだけでいい」
「……」
「いいな、砦。今後、攻撃対象は俺だけに限定しろよ! お兄さんとの約束だぞ! ゆーびきーりげんまん! うーそついたーら――」




