13話 めちゃくちゃしつこく、返却要請をしてくるレイナ。そのしつこさが、ガキ特有の『極端な執念深さ』だったため、センは、普通にイラついて……
13話 めちゃくちゃしつこく、返却要請をしてくるレイナ。そのしつこさが、ガキ特有の『極端な執念深さ』だったため、センは、普通にイラついて……
「か、勘違いしないでよねっ。……別にあんたのためにやったわけじゃないんだからっ。ちょっとヒマだっただけなんだからねっ」
と、センは、レイナの疑問符に対し、真剣に考えた上での結論を出した。ここだけ切り取ると、誰がどう見ても、あまりに不誠実な対応……だが、全体を通してみると、あまりにも雅すぎる対応。
だから、余計に、レイナは頑固になる。
センエースを苦しめたくないという想いが暴走する。
「お願いやから、あたしのもんはあたしに返して」
と、めちゃくちゃしつこく、返却要請をしてくるレイナ。
そのしつこさが、ガキ特有の『極端な執念深さ』だったため、
センは、普通にイラついて、
「じゃかぁしいぃいいいい!!」
普通に、女子中学生の『テンプル(こめかみ)』に、
握りしめた拳を、ガン振りで叩き込むという、
あまりにも時代を先取りすぎた、
鬼畜が過ぎる男女平等な一手をぶちかます。
ガッツリと気絶したレイナを見下ろしながら、
「やましいクソガキだぜ。俺は、空気を読まずにワーキャー騒ぐガキが、世界で一番嫌いなんだ。ぶっ殺されなかっただけ、ありがたく思え」
と、さらに、コンプラ溢れるセリフを垂れ流し、
おまけで、ペっとツバを吐いていく。
レイナの対応で精神を摩耗したセンは、
そこで、つい、ふらっとしてしまう。
そんなセンを支えようとする輝木やウルアや星桜。
久剣は、半歩引いたところからセンを見ているが、
ほかの女性陣は、全力でセンエースの支えになろうとしている。
そんな彼女たちのムーブに対し、
センは、
「ええい、鬱陶しい! 俺に触れるな、近寄るな! 慈愛をもって接するのをやめろ! 俺を心配するな! 俺は眠いだけだ!」
当初の予定では、レイナを使って、軽く嫌われようとしていたセン。
しかし、ふたをあけてみれば、結果は真逆。
『輝木たちから受ける誤解は加速したし、輝木たちと同等かそれ以上にセンを誤解する変態が出来上がってしまった』……と、センは嘆き悲しむ。
それでも、センエースは諦めない。
諦め方を忘れた閃光が、まばゆくまたたく。
「今、見ただろ! 俺は、穏やかな心をもっているが、怒りによって目覚めると、相手が女子中学生だろうが何だろうが関係なく、問答無用で拳をブン回す、伝説のスーパーDV人間。そんなやべぇやつの事なんか慮るな!」
そんなセンのセリフに、星桜が、
「首トンと同じ原理で、脳を揺らして気絶させただけっすよね? このバカガキ、ケガの一つもしてないっすよ。衝撃を与えられたコメカミが、多少赤くなっているだけで」
「殴って意識を奪っているんだ! どっちだろうと一緒だ! というわけで、俺は、めでたく、ヤバいサイコとして社会的に認定されました! 拍手! ――今後、女学生は、決して俺に近づいてはいけない! いいな!」




