9話 このまま『転生したら女子中学生の左手だった件』シリーズで連載を続けてもいいんだが、『手だけのキャラ』は、アダムスフ〇ミリーに、有名なのがいるからなぁ……
9話 このまま『転生したら女子中学生の左手だった件』シリーズで連載を続けてもいいんだが、『手だけのキャラ』は、アダムスフ〇ミリーに、有名なのがいるからなぁ……
直撃をくらったイーの腹部は、直径50センチぐらいの風穴が空いていた。イーは、瞬時に回復魔法を使おうとした……が、
(回復魔法が発動しない……異次元砲にバラモウイルスを乗せたのか……っ)
小癪な手を撃ってきた左手を、イーは、キっと睨みつけ、
「強烈に歪なオーラ。猪口才な鬼手。……貴様……もしかして……センエースか……?」
と、そう声をかけると、
左手は、甲の口を、のっそりと開いて、
「あんなアホの子と間違えるんじゃねぇよ。生まれ変わった俺はもっと高尚な存在だ。名前は……多分、タナカトウシとかじゃないかな。たぶん、そうだ。そうに違いない。だって、天才な感じがするもん。どこがどうとは言えんけど」
「……はぁ?」
わけが分からず困惑しているイーを置き去りにして、
顔面偏差値48っぽい左手は、
「……んー……このまま、『転生したら女子中学生の左手だった件』シリーズで連載を続けてもいいんだが、『手だけのキャラ』は、アダムスフ〇ミリーに、有名なのがいるからなぁ……あまりにも、二番煎じ感が否めないなぁ……」
などと、どうでもいい言葉を口にしてから、
左手首から、
ニュニュニュシュシュシュインっと、
肉体を生やしていく。
――なんということでしょう。
ほとんど一瞬で、『左手だけの存在』から、
立派な『顔面偏差値48の男子高校生』へと早変わり。
その姿かたちは、左手以外、死ぬ前と瓜二つ。
その『顔面偏差値48』……『セン』は、
自分の『転生媒体』である左手を見つめて、
「……左手だけ女子中学生ってのは……なんか、色々な意味でまずそうだな……」
などとつぶやいてから、
『右手から放った魔法で、左手を消滅』させて、
その手首から、『男子高校生らしい、もっさりした左手』を再生させるという、
『いろいろ抵抗感がなさすぎて、もはやグロくもない』というヤバさを発揮する。
それは、『開放的すぎると、もはやエロくない』理論と似ているかもしれない、知らんけど。
……身も心も手足も鼻先も毛先も、全て、死ぬ前とほぼ変わらない状態になったセンは、
「ザップ、ザップ、ザップ……今回のセンエースは、きっとうまくやるでしょう」
と、クローンネタで今の自分自身を痛烈にイジってから、
イーを睨みつけ、
「俺に刻まれた『無限転生』は、レイナが違法ダウンロードした『真・無限転生IIIノクターンスパイラル』の、だいぶ劣化版でなぁ。……転生する際に、ステが強化されるわけでもないし、その場で転生するわけでもない。今回は、色々と無理を積んで、レイナの左手に転生したが……次、死んだら、完全ランダム転生で、『どこ』の『何』に転生するか事前に予測することもコントロールすることも不可能。『同じ世界』で転生することもなくはないが、基本的には、異世界で転生するそうだ」




