5話 『女子中学生』にセクハラした男は、社会的に死ぬ。誤解されるぐらいだったら、社会的に死んだ方がましだと思ったから、お前を利用した。
5話 『女子中学生』にセクハラした男は、社会的に死ぬ。誤解されるぐらいだったら、社会的に死んだ方がましだと思ったから、お前を利用した。
「フリをしとるわけでも、嘘をついとるわけでもない。ただの本音。あなたがおるなら、壊れんでええけど、あなたがおらんなら、意味がないから壊れてしまえばええ。だから、あなたを戻すために……イーをのばなしにしておく。イーが暴れれば……あなたは、あたしたちを守ろうと、絶対に帰ってくる」
「……いや、でも、俺、死んだから……シュブを喰らったことで、普通にお腹を壊して死んじゃったから」
『シュブニグラスハート』は、センに捕食されたことで、
センの中の一つとなり、
センエースの『レイナを守る』という意志を反映した『黒い盾』となっている。
『シュブが、黒い盾として現世に顕現している』……という状況に変わりはないが、
シュブの所有権がだいぶゴチャついている感じ。
整理すると、
もともと、シュブは、当然、『シュブのもの』だった。
だが、レイナの自意識に呑み込まれ、一旦、レイナのものになり、
センに捕食されたことでセンのものとなり、
けど、その結果、センは死んでしまい、
死に際でセンは、レイナに、ヨグもろとも、シュブの所有権も貸し与えたので、
現状、センがシュブの実質的所有権を持ちつつも、レイナが実行支配権をもっており、その実行支配権を、イーが乱用している……
という、なんともややこしいことになっている。
「俺はもう死んでいる。で、俺のいない世界の方が、たぶん、安定している。だから、お前らは、俺のいない世界で生きるべきなんだと、俺の中のガイアがささやく」
メンヘラ厨二を、どう説得すべきか悩んだ結果、
だいぶフワフワした発言をしてしまうセン。
センエースが既に死んでいることを理解させたいけれど、
『センエースが死んでいる世界は壊してやる』と供述しているので、
どう納得させたらいいものか、と、この『とんでもない難題』に悩む。
そんなセンに、
レイナは、たんたんと、
「……あたしを食い破った無限転生は、あなたに食べられたことで……あなたの中に根付いた」
この問題の模範解答を口にした。
『いっそ、もう死んだ方がマジで楽』と思い始めているセンエース的には、逆の意味で死刑宣告。
逆説的な概念だけが空間を飛び交う。
「センエース……あなたに食べられたことで、あなたの想いに触れることができた……あなたは、最初からずっと、あたしを助けようとしてくれとったんやね」
「いや、それは違う。俺は、お前を利用して、嫌われようとしただけだ。『女子中学生』にセクハラした男は、社会的に死ぬ。誤解されるぐらいだったら、社会的に死んだ方がましだと思ったから、お前を利用した。それ以上でもそれ以下でもない。……ちなみに、お前が中学生じゃなく、小学生だったら、もっと最高だったんだけどな。『小学生は最高だぜ』なんて、公の場で口にしてみろ。どんだけの地位にある者でも、一瞬で終わりだぜ」




