29話 今の俺の渾身の無茶苦茶が、『他者からのギフト』に思えたなら、お前の頭に詰まっているのはカニミソ以下のゲロだと言わざるをえない。
29話 今の俺の渾身の無茶苦茶が、『他者からのギフト』に思えたなら、お前の頭に詰まっているのはカニミソ以下のゲロだと言わざるをえない。
レイナは、グっと、センとの距離を詰め、両の拳に、無数の多段オーラ&魔力を組み込むと、『神速閃拳以上の速度』の轟速連打をぶっかましてきた。1秒間に数千発というレベルの異常な連打。さらには、その連打一つ一つの波形を微妙に変えてみせるという神業を魅せつける。
コンマ数秒の中で、永遠を想起させる『異次元の受け』を求められるセン。
脳が一気に加速した。
流石にファントムトークを挟む隙がなかった。
目が真っ赤に血走り、鼻血があふれて、
「オメガ……バスティオン……っ」
『コンマ数秒の中で数千回、オメガバスティオンを成功させる』という……
もう、ほんと、ちょっと何言っているかわかんない事を、
ギッチリ、カッツリと、傍目には楽勝で成功させたセン。
センは、命からがら、レイナから距離を取り、
「ぶはぁあああっ!!」
深い水の底から帰還した直後ぐらいの勢いで、必死になって息を吸いこむ。
「ぜぇ……はぁ……ぜぇ……はぁ……」
圧力の程度で言えば、今の一瞬の攻防は、『200億年の修行』を超えている。
神業に対して神業で返していくアートな時間。
レイナは、センを見つめて、
「……素直に感嘆する……素晴らしい才能だ。貴様は天才だな」
と、そんな侮辱を受けたセンは、
今までで一番イラっとした顔で、
「ぜぇ……はぁ……すぅ……」
と、むりやり、呼吸を整え、大きく息を吸ってから、
レイナを睨み、
「才能だぁ? ナメんなよ。……殺すぞ、マジで。今の俺の渾身の無茶苦茶が、『他者からのギフト』に思えたなら、お前の頭に詰まっているのはカニミソ以下のゲロだと言わざるをえない」
とびきりのプライドを口にしてから、
センは、スっと、両手両足の深度と明度を整えて、
ゆらり、すらり、ぐらりと、武を構えると、
「いくぞ、シュブニグラスハート。殺してやる」
どうにか、こうにか、必死に、
『シュブを殺して、レイナを奪い返す』という宣言をぶちかましていくセン。
そんなセンを、レイナは鼻で笑っていた……が、
突如、レイナが、
「……ん?」
口から真っ赤な血をツーっと垂れ流す。
それに気づいたレイナは、ハっとしてから、口元を押さえて、
「待て、やめろ……タナカ・イス・レイナ……今の貴様では……シュブニグラスハートを扱いきれない……」
自分で自分にそう言い聞かせている。
猟奇的なシーン。
レイナの目が真っ黒と真っ赤だけに染まって、
口から溢れる血の量も増加していく。
「待てと……言っているだろう……やめろ……」
見た感じ、レイナの血圧が爆発的に上がっている。
まるで、限界を超えて空気を入れてしまった風船みたい。
ヤバさを感じ取ったセンが、
心配そうな声で、
「お、おい……なんか、ヤバそうだが……どうした? どうなっている? 俺に何かできることはあるか?」
あまりにもヤバすぎて、素の中の素が出てしまう始末。
シュブニグラスハートは、たぶん、
ゼル伝の、「ハートのかけら」みたいなものだと思います(*´▽`*)
集めたら器になるんだろうなぁ……たぶん……知らんけど……(遠い目




