15話 フインフインっと、なでるように、フレキシブルに、波動の先っぽを、引っ張りつつ、最後に、クイっと腰をいれて、ズバーンといい感じに弾くんだ! わかれ!
15話 フインフインっと、なでるように、フレキシブルに、波動の先っぽを、引っ張りつつ、最後に、クイっと腰をいれて、ズバーンといい感じに弾くんだ! わかれ!
「まず、一呼吸おいて、そして、ギュギュっと空間全体と調和するんだ。そして、ガガガっと、世界線の繊維みたいなものをほぐすイメージで、ビビギギっとセンセーショナルに縫い目をくいこませるんだ。……あとはわかるな?」
「ボクは、自分が天才だという自覚があるんすけど……さすがに、長嶋〇雄メソッドで技術を会得するのは無理ゲーでちゅねぇ」
「だからぁ! こう、来るだろ!? 攻撃が! こう、刹那的な衝撃が、ギニャギニャっと、視界を埋め尽くしたぐらいのところで、フインフインっと、なでるように、フレキシブルに、波動の先っぽを、引っ張りつつ、最後に、クイっと腰をいれて、ズバーンといい感じに弾くんだ! わかれ!」
センのこのコーチング。
ギャグにしか思えないが、しかし、実は、めちゃくちゃガチである。
セン自身が、オメガバスティオンの技術体系を正式に理解できていないから、『感覚的に話さざるをえない』というだけの話。
(※あと、星桜に甘えているというのもある。センエースは、相手が有能だった場合、まるで『ハッカーならパソコンで何でもできるよね。核ミサイルの遠隔操作とかもできるんでしょ?』みたいな安易なノリで、盲目的に過剰な期待をしてしまう節がある。そういう『拭いきれない愚民感』も、センエースが有する特質の一つ)
――『殴る』・『蹴る』・『魔法』などの、『真っ当な理論の下地を持つ技術』に関しては、
センも、ちゃんと教えることができるのだが、
謎のキャンセル技『オメガバスティオン』に関しては、
どうしても、正しい教導をこなすことができない。
「星桜! お前は天才だ! 確実に俺より有能! 俺より有能ってことは、俺にできることは、その気になれば全部できるってこと。証明完了! だから、いける! 頑張れ! 気合いだ、気合だ、気合いだ!」
「目がマジなんすけど……もしかして、そのボケ……シャレじゃなく、ガチで言ってるんすか? 自分の旦那にこんなこと言いたくないっすけど……流石に、マジで、ちょっとキモいっすね」
普通にドン引きの顔をしている星桜の前で、
センは頭をかきむしりながら、
「なんで、わからねぇんだよ、くそがぁ!」
と、叫びつつ、
心の中で、
(ダメだ……『オメガバスティオンを覚えさせて、少しでも星桜たちの生存力を上げよう大作戦』は、始める前から暗礁に乗り上げた。正直、自分でも、どうやって、この技を使っているのか、いまいちわかっていないから、教えることができないっ! 詰んだぁああああああっ!)
『ギリギリ感覚だけでこなしていること』を、言葉で教えることなど、普通に不可能。
センは、グシャグシャっと、頭をかきむしってから、
(しゃーねぇ……なるべく死なないように頑張ってみて、どうしても死ななきゃいけないときは、俺の力の全部をヨグソードにこめて、セラに継承しよう)




