8話 星桜のような『宇宙人の中の奇行種』が相手だと、流石に尻込みするところもあるが、一般人相手だと、熟成された『天下無双お嬢』ぶりを鮮烈に発揮する。
8話 星桜のような『宇宙人の中の奇行種』が相手だと、流石に尻込みするところもあるが、一般人相手だと、熟成された『天下無双お嬢』ぶりを鮮烈に発揮する。
「なんで、このボクが、あんたみたいなアホの子の世話を焼かんといかんのっすか? 世間は、あんたのお母さんやないんすよ。中学生にもなって、まだ、『求めれば、周りが右往左往してくれる』と勘違いしとる。救えないっすね」
と、無駄に辛辣な言葉を投げかけていく。
ちなみに、これは、ウルアに対するイライラをぶつけただけ。
ようするには八つ当たりである。
普通に最低。
……星桜は、功績に関しては、確かに、聖人要素でいっぱいなのだが、
性格に関しては、名実ともに終わっている。
普通に、キッチリ、ゴリゴリに、性悪の糞女なのである。
星桜の、『徹底的に他者(親戚)を突き放す態度』に、レイナは、余裕で普通にイラっとしたものの、
(この人とまともな対話は出来んわなぁ……ちょっとでも頼ろうとした自分がアホやった)
と、むしろ『自分が間違っていた』と反省しつつ、
周囲を見渡して、
「そこのあんたら高校生か大学生やろ? 年下の中学生が、こんだけ困っとるんやから、ちょっとは助けてやろうとか思わん? 人としての品位を疑うで。あんたら、一応、猿やなく人間やろ? 『最低限の品格ぐらいはどうにか維持しよう』と必死に頑張ったら?」
と、一般人たちに救援を求めていく。
ちなみにレイナは、『一般人(田中家以外)』をゴリゴリに見下しているタイプ。
美貌と知性が領域外にあるせいで、もはや、周りから、嫉妬されることすらなく、『レイナは宇宙人だから』と、人外扱いされ、スターでもアイドルでもなく、それ以上の『別枠の何か』として扱われているカリスマコズミック美少女。
ちやほやされるとかいうレベルではなく、国宝として扱われる日々。
どんなワガママも許され、国家レベルどころか世界レベルで大事にされている、完全無欠で天衣無縫のお姫様。
星桜のような『宇宙人の中の奇行種』が相手だと、流石に尻込みするところもあるが、一般人相手だと、熟成された『天下無双お嬢』ぶりを鮮烈に発揮する。
そんな彼女の強い態度を受けて、
『プライドの塊センさん』は普通にイラっとして、
『このイラつくクソガキ、一発か二発、ぶんなぐってやろうか』……とも思ったが、
しかし、ここで、
――センに電流走る。
(こいつは使える……俺の格を落とすのに、うってつけ……)
最近のセンは、『まわりが女性だらけ』・『自分の強さだけが頼り』という状況に危機感を抱いていた。
あの星桜すらおののくほど『奇行種の貴公子』であるセンエースは、
自分の中の『プライドと気品』を最優先に考えて生きる生粋にして至高の変態。
めちゃくちゃ端的に、センの危惧を言語化すると、
『このままだと、周りの女性陣が、吊り橋効果&ハロ―効果で、俺に対して、勘違い好意を抱きかねない。……そっち系の誤解・齟齬は断じてお断り。本来の姿ではなく、謎の偶像に好意を抱かれ、それをモテていると勘違いして舞い上がるというのは、この世で最も愚かでみっともない失態』
――と言った感じ。




