6話 この俺ですら容易にはサバききれないほどの、おそろしくイカついツッコミどころであふれたセリフ。俺じゃなきゃゲロ吐いちゃうね。
6話 この俺ですら容易にはサバききれないほどの、おそろしくイカついツッコミどころであふれたセリフ。俺じゃなきゃゲロ吐いちゃうね。
「あの、セミさん……ヨグさんは……お前に力を与えてはいない、みたいなことを言っているんだけど……」
「ヨグは嘘つきだからねぇ。なかなか本当のことは言わないと思うよ。まあ、俺が嘘をついていると思ってくれてもいいけど、今回に関しては、ヨグの方が嘘をついているね」
「嘘つき村の住人たちに囲まれて、心が折れそう……」
「俺は、今日に限り、正直村の住人だよ、センくん」
「嘘をつかないっていうやつが、一番の大嘘つきだと相場が決まっている。……ただ、これ、どこまでいっても、平行線だよなぁ……どっちが嘘をついているか判別する手段がなさすぎる……」
深いため息をついてから、センは、
「……もういい。お前らには頼らん。ここからは俺だけの力で道を切り開く」
覚悟を決める。
……そして、また、夜がくる。
★
その日の夜。
学校に集まったのはいつものメンツ。
センエース、久剣、輝木、ウルア、星桜。
今日も元気に全員強制集合。
集まった面々に、センは、昼間に聞き切れなかった、細かい部分を、根ほり葉ほり聞いていく。
その途中で、ウルアが、
「――私は、セン様の、『お店での高潔な一言一句』も覚えておりますが、それも答えた方がよろしいですか?」
などと、鬱陶しそうなことを口にしだしたので、
センは、
「それはいいかな。大したことじゃないから。というか、その話はやめようか」
心臓バクバクしながら、そう言うと、
星桜が、センの胸倉をグイと掴んで、
「どういうことっすか? あのいかがわしい女が働いているような、いかがわしい店で遊んだということっすか? ボクと、結婚している立場で、なにを、しているんすか!」
「……この俺ですら容易にはサバききれないほどの、おそろしくイカついツッコミどころであふれたセリフ。俺じゃなきゃゲロ吐いちゃうね。ま、実のところ、この俺ですら、今にも吐いちゃいそうなんだけどね。まず、俺、結婚してないしぃ、ウルアは、いかがわしい女ではないと思うしぃ……それに――」
「あんな、誰にでも股を開きそうな女の何がいいんすか! つまみ食いするにしても、アレは選んじゃダメっすよ! 品位が疑われてしまうっす! みるからに、性病の塊じゃないっすか!」
「……お前、性格、終わってんな……なんで、俺、お前みたいな終わっている女の重荷なんか背負っているんだろう……倫理観がゲシュタルト崩壊しそう……」
そこで、ウルアが、星桜に、
「流石に、聞き捨てなりません。撤回を要求します」
と、詰め寄ると、星桜は、ウルアを睨み、
「うっせぇ、消えろ、クソ売女。ボクの男に、その卑猥なツラで近づくな、殺すぞ」
そのセリフを受けて、センが眉間にしわをよせ、
「えぐい、えぐい。呪いをノシつけて返したくなるから、お前、もうしゃべるな。お前、これまでの人生で『世界に対する献身がハンパない、聖女みたいな生き方』してきたくせに、なんで、ウルアに対してだけは、そんなに口が悪いんだ」
今回の28話も、たくさんの読者様に、ご購入いただきまして、誠に感謝しております!!
毎回、購入いただいている読者様、いつもブーストつきでご購入いただいている読者様……ありがとうございます!!
おかげさまで、どうにか継続できております!
今回の自作コミカライズ版では、「漫画として読みやすさ」を考えて仕上げてみました。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです!
次回も、一枚絵の出来より、漫画としての読みやすさを求める予定です!
まだ、自分の中での伸びしろはあると感じておりますので、その辺、楽しみにしていただけたら幸いです!




