8話 逃げようとするミゼーアを、サクっと捕まえて動けなくするセン。その高みは、例えるなら、『飛んでいるハエを割りばしで捕まえる』というアレの、数万段階上の神業。
8話 逃げようとするミゼーアを、サクっと捕まえて動けなくするセン。その高みは、例えるなら、『飛んでいるハエを割りばしで捕まえる』というアレの、数万段階上の神業。
「閃拳」
ズパァアアアン!! と、ミゼーアの顔面に美しい一手。伝導率が常識を殺していく。人間に出来る限界など、はるか彼方に吹っ飛ばしていく狂気の軌跡。
コンマ数秒の激しい衝撃の中で、ミゼーアは思い知る。
(――この強さは異常――勝てるワケがない絶対の高み――)
『一瞬を切り取った深淵の底』で叩き込まれた格付け。
ミゼーアの中で、未曽有の恐怖心が激しいシルエットを伴う。
「う、ぁああああああっ!!」
センから必死になって逃げようとするミゼーア。
そんなミゼーアを、センは、『逃げようとするゴキブリ』を踏みつけるみたいに、グンっと背中から力強く踏みつけていく。
「ぐぁあああっ!」
「この俺から逃げられると思ったか? てめぇみたいな害虫を取り逃したら、のちのち、どんな災害に見舞われるかわからねぇからなぁ。ここで、きっちりと、その芽を根本から摘ませてもらう」
「は、離せぇええええ!!」
パニックになって騒ぐミゼーアに、
センは、遥かなる高みから、
「悪いな、ミゼーア。どうやら、俺は強くなりすぎたらしい。いちいち髪を食わなくてもわかるだろう。俺の、この、極限をも超えた鍛錬の結晶。ああ、敗北を知りたい。俺が……俺たちがガン〇ムだ」
一級レベルで負けフラグを建築していくセンエース。
だが、その負けフラグは、『コントロールルーム爆撃失敗』で事前回収してしまっているので、ミゼーア相手には発動しなかった。
ミゼーアは、どうにか逃げようと、いくつか魔法を駆使して、
亜空間に逃げ込もうと画策したのだが、
しかし、
「200億年の間で、空間系のスキルも散々磨いた。磨いたっつぅか、強制的に磨かされたって感じだが……まあ、それはともかくとして……200億年ってマジで長くてなぁ。膨大な時間の中で、ありとあらゆる技術を磨きまくった。だから、亜空間に逃げようとするゴキブリを捕縛するなんてこともワケないのよん♪」
逃げようとするミゼーアを、サクっと捕まえて動けなくするセン。
その高みは、例えるなら、『飛んでいるハエを割りばしで捕まえる』というアレの、数万段階上の神業。
その一手だけでも、
『センエースが積み重ねてきた時間の重さ』が分かるというもの。
絶望的に強すぎるセンエースを前にして、
ミゼーアは、
「わ、わかったよ、センエース。君が私よりもはるかに強いということ……君こそが、圧倒的な力の王だということ。理解した。もう、君にも、この世界の生命体にも手を出さない。誇りと魂魄にかけて誓う。だから――」
「だから、見逃してくれって? そいつは聞けない話だぜ、ミゼーア」
「ど、どうして――」
「今の俺からすれば、お前は雑魚だが、俺以外の人類にとってはそうじゃねぇ。お前は危険な存在で、既に、一度、人類に対して牙をむいている。こいつは、ごめんなさいで済むことじゃねぇ。例えるなら……『熊の駆除』みたいなもんだ」




