99話 センエースは、私の眷属だから異質の力を持つのではない。計り知れない異質な力を持つから、私はセンエースの眷属になることを選んだのだ。
99話 センエースは、私の眷属だから異質の力を持つのではない。計り知れない異質な力を持つから、私はセンエースの眷属になることを選んだのだ。
「涅槃・龍華・煉獄一閃」
センは、剣を少しだけ横に薙いだ。
すると、その瞬間、200体以上いた、アウターゴッド級の猟犬たちが、
ズパァアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッ!!
と、豪快に、まとめて、一刀両断。
猟犬たちはアウターゴッド級の生命力を持つので、
ただの切り傷などは、秒で回復するのだが、
センの煉獄一閃は、そんな甘い一撃ではなく、
どうやら、猟犬たちの生命力を根こそぎ持っていったようで、
猟犬たちは、一瞬たりとも、もがくコトすらなく、
安らかに、この世から消えていった。
圧倒的な力を披露したセンは、天を仰いだまま、
「……慣れてきたぜ。この重み」
ムリした顔で、そういう。
……まあ、確かに、多少は慣れてきているが、
『重たい痛み』であることに変わりはない。
この虹色の剣を入手したからといって、
センの中に刻まれた『無限の重荷』が消えるわけではないのだ。
――『神でも持ち上げられない石(無限の重さ)』と向き合い続ける覚悟が輝く。
センは、視線を降ろし、手の中の剣を見つめながら、
「ヨグ=ソトース……『クトゥルフにわか』の俺でも知っているぜ。アウターゴッドの中のアウターゴッド……外なる神のハイエンドだよな。一にして全、全にして一という、不条理なチートの塊。なんで、お前ほどの邪神が俺みたいな『能無しの小虫』に力を貸してくれるのか知らんが……その奇行の動機を推理している時間はないから、盲目的に、ありがたく使い潰させてもらうぜ」
などとつぶやいていると、
ミゼーアが、血走った眼球で、
センの手の中にある虹色の剣をにらみつけていた。
ここまでは、なんだかんだ、紳士的な表情をしていたミゼーアだが、
今は、親の仇でも見つけたような、バチギレ顔で、
「なるほど……君は、ヨグ=ソトースの眷属だったか。どうりで異質な力を持つわけだ」
と、怒気のこもった声で、そうつぶやく。
そんなミゼーアの言葉に、
ヨグソードが、
「――センエースは、私の眷属だから異質の力を持つのではない。計り知れない異質な力を持つから、私はセンエースの眷属になることを選んだのだ」
急に喋った剣を見つめながら、センは、
「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!!」
と、一応、元気にファントムトークで世界のご機嫌をうかがっていく。
ちなみに、先ほど、脳内で、少々語り合ったので、ヨグソードが喋れることは知っていたのだが、しかし、稀代のファントムトーカーとして、ここで、このテンプレを使わずにはいられなかった。
どうみても病気です。本当にありがとうございました。
そんな病気中のセンを無視して、
ミゼーアは、ヨグソードに、
「ヨグ……アウターゴッドの頂点である君が、人間の眷属になったというのか? それは、流石に冗談が過ぎるな」




