96話 ポケ〇ンで言えば、『影分身を積みまくった、食べ残しHBのんきツボ〇ボ』と対峙している時のような絶望感。
96話 ポケ〇ンで言えば、『影分身を積みまくった、食べ残しHBのんきツボ〇ボ』と対峙している時のような絶望感。
ヤケになり、お願いブッパの照射を放つも、ミゼーアは、軽く半身になるだけで、センの異次元砲を回避する。『流れゆく電車を、白線の内側から見つめるよう』に、『センの異次元砲が無駄打ちに終わった』のを見届けたミゼーアは、
「鬱陶しいな……」
ボソっと、ダルそうに、そうつぶやく。
「君の『生命力と根性の膨大さ』には嫌気がさしてきた。私が君に負けることはありえないけれど……君を削り切る未来を思い描くことが出来なくなってきた。この面倒くささは、恐怖に値するね」
ポケ〇ンで言えば、『影分身を積みまくった、食べ残しHBのんきツボ〇ボ』と対峙している時のような絶望感。
攻撃性能はゴミなのでダメージは受けないが、鉄壁すぎてなかなか殺せないので、ただただイライラさせられる。
そこで、ミゼーアは、チラっと、
『星桜&輝木』と『ティンダロスの王達』の闘いに視線を送る。
なんだかんだ6体まで減らされて、
殲滅力が大幅に低下しているので、
星桜たちを殺しきるのには、相当な時間がかかるであろうことが予想される。
普通にイライラしてきたミゼーアは、
「アレは疲れるから、出来ればやりたくないんだけれど……はぁ……まさか、人間相手に、ここまでしなければいけないとは……まったく……」
タメ息交じりに、そう言ってから、
「いつまでも、君たちの相手をしていられるほど、私はヒマではないのでね」
そう言い捨てつつ、
ミゼーアは、パチンと指を鳴らした。
すると、『現存しているティンダロスの王達の肉体』が、
『地面にたたきつけた卵』みたいに、パシュンッと破裂した。
その様子を尻目に、センが、
(……なんで、わざわざ、部下を殺した……?)
と、困惑していると、
バラバラに飛び散った王達の死体の破片が、
ぐねぐねと動き出し、
グワっと膨らんで、複雑な魔方陣になっていく。
センたちが、『なにがなんやら』と戸惑っている間に、
そのジオメトリから、
ワラワラ、ワラワラと、
大量の犬らしき何かが這い出てくる。
その総数は、少なく見積もっても200以上。
それを見て、センは、
(ティンダロスの猟犬か……出力は、GOO級……あの程度の出力なら、何百体いようと、問題ねぇんだが……)
この世界に顕現した『犬らしき何か』達は、
警察犬が嫉妬するほど規律正しく、
主であるミゼーアに向かって、丁寧に並んで平伏する。
そんな、『犬らしき何か』達に、
ミゼーアは、膨大な魔力を注いでいった。
すると、GOO級でしかなかった『犬らしき何か』達の数値が一気に膨れ上がり、
気づけば、全員が、ティンダロスの王達と、ほぼ同等の数値を持つようになった。
その様子を、絶句した顔で見ているセン。
真っ青になっているセンに、ミゼーアが、
「私の手勢……ティンダロスの猟犬たちだ。基本的には下級のグレートオールドワン程度の力しか持たないが、私が魔力を注ぐことで、一時的に、『アウターゴッド級の力を持つ大群』として運用できるようになる」




