94話 異常なほどの適性で、フルパレードゼタキャノンを連射していくスタイル。
94話 異常なほどの適性で、フルパレードゼタキャノンを連射していくスタイル。
『数字』で言えば、『ティンダロスの王』と『約束神化』の『出力』はトントン。
だから、8人いる王達の方が、戦力的には、純粋に、4倍ほど上回っている。
ゆえに、まともにやりあうと、ボコボコにやられてしまうわけだが、
星桜&輝木は、『ガードを固めながらの籠城戦一択』なので、
ギリギリ、どうにか、さばけている。
「信じられん耐久力!」
「この女ども、アウターゴッド級の生命力だ!」
「まずい! 削り切れない!!」
「弾幕をもっと厚くしろ!」
「豆鉄砲の連射では意味がない!」
「フルパレードゼタキャノンでガードをこじあける! 援護しろ!」
「私がやる! 貴様よりも魔力は上だ!」
プライドが高い面々ゆえ、ほんのりモメつつも、
しかし、スペックは確かな面々でもあるので、
バカみたいに揉め事をくすぶらせることもなく、
『フルゼタ適性が一番高い者』に花形を任せ、
ほかの面々はサポートにまわる。
メインアタッカーを任されたティンダロスの王は、
両手に、『膨大化させたオーラと魔力を融合させたエネルギーの塊』を集中させて、
「顕現! 【フルパレードゼタキャノン】!!」
宣言と同時、金属が高速回転しているような音が響いた。
膨大なオーラ量の、巨大な魔法銃器。
その、クソでかい銃口を、星桜たちに向けて、
「ブラストオフゥ!!」
問答無用でぶっ放す。
暴走気味に照射された殺人エネルギー。
その超火力に対し、
星桜は、まるで、数学の難問に、正解の公式でも当てはめるみたいに、
「顕現! 【フルパレードゼタキャノン】!! ブラストオフ!!!」
フルゼタをあわせていく狂気。
放たれた照射同士、
まるで、ドラゴン〇ールの一幕みたいに、
空中で、莫大なエネルギーがぶつかりあって弾きあう。
グイングイン、バチバチ、ギガガガガ!
と、もはや、何が何だか分からない轟音が響き渡ったが、
最後には、
ズギィイガシュウゥ!!!
と、星桜のフルゼタが、『ティンダロスの王が放ったフルゼタ』を食い破り、そのまま、
「うっ! ぎゃああああああっっ!!」
エネルギーの渦に呑み込まれていき、
『メインアタッカーを任されたティンダロスの王』は、
跡形も残らずに消失した。
吹っ飛んだ王を尻目に、
ほかの王が、ボソっと、
「……どうやら、あの女のフルゼタ適性は、我々の誰よりも高いらしい……」
そんな感じで、不愉快な現実を、受け止めていると、
そこで、
「ブラストオフぅう!!」
星桜が放った二発目が、王の一人を華麗に撃墜。
一気に二人の王を失い、
ティンダロスの王達は残り6人。
「フルゼタの連打ぁ?!」
「ど、どれだけ適性があるというんだ……っ」
……本来、フルゼタというのは、
一発撃つと、しばらくクールタイムが必要なのだが、
星桜は、適性が高いのか何なのか知らんけれども、
とにかく、連打することが可能なスペックを有していた。
その様子を見た輝木が、
「できれば、あと6発撃って、皆殺しにしてほしいんですけどぉ」




