74話 300人委員会が使い物にならなさすぎてハゲそう。俺の毛根に、これだけのダメージを与えてきた300人委員会を俺は絶対に許さない。
74話 300人委員会が使い物にならなさすぎてハゲそう。俺の毛根に、これだけのダメージを与えてきた300人委員会を俺は絶対に許さない。
「今夜も、当然のように、元気に、全員集合の『チーム蝉原』なのであった。……この嫌がらせ、ダルいわぁ……」
「まさか、この期に及んで、まだ、この宇宙人討伐隊の名称を『チーム蝉原』と呼ぶとは……君の往生際の悪さは、本当に、常軌を逸しているねぇ」
と、心底呆れた声でボソっとそうつぶやく蝉原デスガン。
そこで、ウルアが、
センのもとに近づいてきて、
頭を下げながら、
「おじい様ともども、何のお役にもたてず、本当に申しわけございません」
と丁寧に謝罪をしてきた。
センは、
「あんたと、あんたの爺さんはどうでもいい。そんなことより、300人委員会が使い物にならなさすぎてハゲそう。俺の毛根に、これだけのダメージを与えてきた300人委員会を俺は絶対に許さない。絶対にだ。……俺、この戦いが終わったら、300人委員会に殴り込みをかけるんだ(遠い目)」
と、丁寧に死亡フラグを組み立てていくセン。
そんなセンに、ウルアは、うるんだ瞳で、
「あなた様は本当にお優しい……というよりも、お優しすぎます。どれだけ苦しい状況下においても、他者の心を優先する、その狂気的ともいうべき高潔さ……やはり、あなた様こそが王にふさわしい」
「俺とあんたの、このえげつない方向性の違い……バンドだったら秒で解散しているところだぜ」
などと、ボソっとつぶやいたところで、
空中に、エアウィンドウが出現する。
そこに映し出された、ゲームマスター『ショデソウ』が、
「イベントの発生を宣告する」
そう言ったのを聞いて、センは、
「……最悪ぅううううう!! もうええてぇえええええ!! これいじょう、足手まといいらぁああああん!! どんだけ、俺の背中にお荷物を乗っけたら気がすむんだよぉおおおおお! お前、俺のこと、嫌いすぎぃいいいい!」
そんなセンの叫びもむなしく、
イベントは着々と進行していく。
「宇宙人との戦闘前に、ランダムで、『イベント』が発生する可能性がある。今回のランダムイベントの内容は、新たなメンバーの追加。こちらがテキトーに選択した人間が、君たちの仲間となる」
いつもの説明の後、空にビビっと亀裂が入った。
そして、その亀裂から、フワっと、人が落ちて来る。
「親方! 空から女の子が!」
と、新鮮なテンションで叫ぶセンの手の中で、
蝉原デスガンが、
「なんだか、最近、女の子ばっかりだね。まったく、君ってやつは本当にむっつりドスケベなんだから……」
「なんで、俺のせいみたいな言い草?!」
落ちてきたのは、ウルア以上の絶世美女だった。
ウルアは、相当えげつない美貌の持ち主で、傾国級と言ってもいい超級美女なのだが……今回落ちてきた美女は、明らかにウルアを上回っているという、とんでもない異常顔面偏差値っぷり。
――彼女の名は……田中・イス・星桜。
性格が悪いことでおなじみ田中家の中でも、性根の腐り方にかけては他の追随を許さない別格。




