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37話 だから言っただろう。俺は強すぎる、と。


 37話 だから言っただろう。俺は強すぎる、と。


「っ……くぅ……このわからず屋さんめ……ちっ……しかたない、いいだろう……高みを魅せてやる。後悔の渦に飲み込まれるがいい! くらえ、ダイナマイトパーンチ!」


 と叫びながら右手でブン殴るモンジン。

 渾身の必殺技が炸裂するものの、265番は一ミリもダメージを受けていない涼しい顔のまま、モンジンの側頭部にハイキックをいれてきた。


「ぶふぅおおおおおお!!」


 血を吐きながら吹っ飛ぶモンジン。

 モンジンを蹴り飛ばした265番は、モンジンを鼻で笑いながら、


「お前、よく、この武道会に参加しようと思ったな。さっきのパンチ、そこらへんにいる少女以下の一撃だったぞ」


 吹っ飛ばされたモンジンはよろけながらも、どうにか立ち上がり、


「ば、ばかやろう……ぉ、俺の必殺技は、あとからジワジワときいてくるタイプのアレなんだよ。残念だが、お前が数秒後に失神することは既に確定している。これは、宇宙の運命的なアレだ」


「そうか。じゃあ、宇宙の運命が発動する前に、お前を飛ばしておくとし――ぐはぁあああ!」


 『KO宣言』をしようとしたその時、『バロールに吹っ飛ばされた289番(屈強な剣士)』が、『265番(屈強なスキンヘッド)』の横っ腹に激突して、二人とも吹っ飛んでいった。


 それを見たモンジンは、


「……ふ、ふははは! だ、だから言っただろう! 俺は強すぎると! いいぞ、281番((バロール))! すべて、完璧に作戦通りだ!」


 などとハシャいでいるバカを横目に、ジャミが、


(……なに、助けているんだ、バロール)

(あんなクソガキ、好き好んで助けるワケないだろう。ただの偶然だ)


 などと言っている間に、だんだん、数も減ってきていて、

 今では10人を切っていた。

 というか、『第三勢力の女たち五人』と、ジャミ&バロールと、モンジンの八人だけになっていた。


「よし、お前ら! あとは、あの女たちの中から三人を倒したら予選は終了だ! 281番は、右はじの雰囲気がエロそうな女をねらえ。282番は、その隣にいる背の高い女だ。俺は、後方で、お前たちの勝利に貢献すべく、とりあえず、なにかしら頑張るつもりだ!」


(本番スタートだな。このクソガキはあとでシバくとして……ジャミ、どっちが三人受け持つ?)

(私が左の三人を受け持つ。バロールは右の二人を頼む)

(了解)






 ★


 『289番(バロールに飛ばされた剣士)』と『265番((モンジンとたたかっていたスキンヘッド))』。

 その両方が瞬殺されたのを見て、ケイレーンはギリっと奥歯をかんだ。

 モンジンの掴みギャグとして便利に使われた彼らこそが、フーマーが用意した『できる者』だった。


 彼らは、フーマーが用意した『できる者』の中でトップというワケではなかったが、フーマーでもそれなりに上位に位置する達人だったのだ。


 ケイレーンは、ギリギリと奥歯に負担をかけながら、


(レイモンドの手ゴマは……われわれの想定を遥かにこえている……)


 『退屈そうにバロールたちの圧倒的な戦闘を観戦しているミシャ』をチラっと横目で確認しながら、


(……『シグナルズ』で対処できる相手じゃない……下手に段階をおかず、素直に最大戦力の『ピースメイカー』をつれてくるべきだった)


 フーマーの『戦闘用部隊』は複数あるが、その上から二番目が『シグナルズ』で、頂点が『ピースメイカー』。


 今回、ケイレーンが連れてきたのはほとんどがシグナルズのメンバーで、ピースメイカーからは、諜報能力特化の『セレーナ』のみ。



 今回も、動きの違いから、289番と265番が、フーマーの『出来る者』だと看破していたミシャが、


「……ふっ」


 と、何も言わず、ただ、小さく鼻で笑った。

 それを受けて、『コーレン』の我慢に限界がきて、


「いい加減にしろ、きさま! どこまで我々を侮辱すれば――うぼげっ!!」


 叫んでいる途中で、コーレンは、ケイレーンから強烈な肘を叩き込まれた。

 目にもとまらないスピードだった。





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