64話 GOO2体を同時に相手にするのは、なかなか骨が折れる作業だった。感覚的には、モン〇ンでティガレ〇クスを二体相手にする感じ。
64話 GOO2体を同時に相手にするのは、なかなか骨が折れる作業だった。感覚的には、モン〇ンでティガレ〇クスを二体相手にする感じ。
「おい、ショデソウ。聞こえてるか?! 聞こえていたら返事をしろ。で、どういう状況か教えてくれ。これ、どういう状態? なんか、GOOが謎に逃げたんだけど。これは、もう、撃退したということでいいの? 俺ら、帰ってもいい感じ? 帰っていいなら、秒で帰って寝たいんだけど」
と、疑問符を空に垂れ流していると、
そこで、また、
ブブブブブブ……
ブブブブブブ……
と、何かが歪むような音が二つ、重なって響いた。
反射的に、センたちの視線が注がれる。
視線の先にある空間が、ギチギチに軋んだ。
軋みは二つ。
先ほどの流れとまったく同じ。
その二つの軋みは、徐々に具現化し、空間に切れ目として正式に顕現すると、
それぞれの軋みの奥から、
「…………」
「…………」
人型の怪物が一体ずつ登場。
先ほどと違って、今度は何も口にしない。
虚ろな目で、意識があるのかどうか分からない。
意識や感情に関しては不明だが、
強大なエネルギーを放っていることに変わりはなかった。
GOOとして、真っ当な力を持つ化け物が、合計2体。
そんなコスとファロールを見て、
センが、頭をぼりぼりとかきながら、
「なに、この謎のテイク2。……さっきは、なんか失敗でもした感じ?」
と、疑問符を投げかけるも、
コス&ファロールは一切反応しない。
二体のGOOは、ただただ全身のエネルギーをバチバチと膨らましているだけ。
意識があるようには見えないが、
明確に臨戦態勢に入った。
それを見て、センも剣翼を展開させ、
「闘るでいいんだよな? これまで同様、普通に殺し合うんだな? だったら、それでいいんだが……さっきは、なんで、一旦帰った? ……まあ、もういいけど……」
言葉はそこそこに、両者の殺し合いがスタートした。
剣翼を広範囲に展開させていくセン。
GOO2体を同時に相手にするのは、なかなか骨が折れる作業だった。
感覚的には、モン〇ンでティガレ〇クスを二体相手にする感じ。
コスもファロールも、GOOだけあって、火力が高く、
一瞬の油断が命取りになるという、ヒリついた現場。
コスもファロールも、普通にGOOとして優秀で、普通に強かったものの、
『毘沙門天の剣翼を駆るセン』が相手では役者不足感が否めなかった。
GOOは生命力が膨大なので、
それなりの長期戦にはなったものの、
最終的には、
「うっしゃぁあああああ!! 勝ちぃいいいい!!」
突撃させた毘沙門天が、まず、コスの体を串刺しに、
続けて、ファロールの全身を細切れにしてみせた。
「ぐ……がっ……」
「ぎぎ……」
まるで、低位の奉仕種族のような、ざんない死にざま。
「相手が悪かったな! まあ、俺が強かったのではなく、毘沙門天が高性能だったってだけだが!」
などと叫んでいると、
毘沙門天が、
『サクっと死んだコス&ファロール』の『死体』を、
まるで、スポイトで水を吸い取るようにして、
グググイっと刀身に取り込んでいく。




