60話 いったい、俺の何がそんなに気に入らないんだ……ファントムトークか? 俺のファントムトークにイラっときているのか?
60話 いったい、俺の何がそんなに気に入らないんだ……ファントムトークか? 俺のファントムトークにイラっときているのか?
「なんで来てんの?! はぁ?! 『運動音痴は運動会に参加してはいけません』って親から習わなかったのか?! どんだけ、常識ないんだ、てめぇら、ごらぁ! 非常識なご家庭の子は、これだから嫌なんざんす!!」
本気の怒りを向けられた久剣が、
軽く頭をおさえながら、
「……きたくて来たわけじゃない。気づいたら……ここにきていた」
と、ボソボソと言い訳をしてきた。
それを聞いてセンは、
青い顔になり、
ウルアに視線を向け、
「センパイも? そういう感じ?」
「は、はい……昨夜、あなた様に言われた通り、今夜は自宅で待機するつもりだったのですが……気づいたら、ここにいて……正直、意味がわかりません」
そんな二人の証言を耳にしたセンは、
頭を抱えて、
(やられた……こいつは、完全に、ショデソウの嫌がらせだ……あいつの嫌がらせ、どんどん酷く、露骨になってきている……いったい、俺の何がそんなに気に入らないんだ……ファントムトークか? 俺のファントムトークにイラっときているのか? くそぉ……人の病気に、いちいちイラついてんじゃねぇよ、器が小せぇなぁ)
確証は何もないが、
しかし、センは、
二人がここにきてしまったことを、
ショデソウの仕業であると断定して、頭を回転させていく。
(足手まとい二人……ウザい……ウザすぎる……めんどくせぇ……ダルい……勘弁してくれ……くそがぁ……)
一通り、シンプルな不満をぶちまけてから、
(GOO級できてくれるなら、どうとでもなると思うが……アウターゴッド級だとどうしよう……二人一遍に狙われたりしたら、守り切れねぇ……)
そこで、センは、
輝木に、
「もし、やばそうだったら、どうにか変身して、この二人を守ってくれ。頼む」
と、まじりっけなしの言葉で懇願する。
その、あまりにも純粋なまっすぐさに、
輝木はキュンキュンにときめきつつも、
チラっと、久剣&ウルアを見て、
(……ちっ)
と、心の中で舌打ちをする。
『センが、この二人のことを考えて、優しさを出している』
というのが、普通にイラ立つ。
嫉妬心で頭がおかしくなりそう。
輝木は賢い子なので、現状が『やべぇ状況だ』ということは重々理解できているのだが、しかし、この感情は止められない。
人間の心は、感情論に支配されると、合理が吹っ飛ぶ。
「ふぅ……ふぅ……」
どうにか、深呼吸で自分をおさえつけている輝木。
――そこで、
ブブブブブブ……
ブブブブブブ……
と、何かが歪むような音が二つ、重なって響いた。
反射的に、センたちの視線が注がれる。
視線の先にある空間が、ギチギチに軋んだ。
軋みは二つ。
その二つの軋みは、徐々に具現化し、空間に切れ目として正式に顕現すると、
それぞれの軋みの奥から、
「……ふぅ……」
「……ふしゅぅ……」
人型の怪物が一体ずつ登場。
強大なエネルギーを放つ化け物が、合計2体。
今回の27話も、たくさんの読者様に、
ご購入いただけました!
本当にありがとうございます!!
買っていただけているだけでも、
ありがたい限りだというのに、
ずっと、ブーストして、
支援してくださっている読者様も、
本当にありがとうございます!
全ての、一つ一つの、ご購入いただいた履歴と向き合って、画面越しではありますが、感謝の思いを込めて、頭を下げさせていただいております!!
本当にずっと、ありがとう<m(__)m>




