55話 宇宙人に殺された。世間で騒ぎになっていないのは、デスゲームの主催者ショデソウによって、情報操作とかされているからじゃねぇの? 知らんけど。
55話 宇宙人に殺された。騒ぎになっていないのは、デスゲームの主催者ショデソウによって、情報操作とかされているからじゃねぇの? 知らんけど。
「……お前が、その手の悪質な冗談を口にするの、珍しいな。イカれたことは言うけど、そういうイジメ系のコトは言わないやつだと思っていたぜ」
「俺が悪質な冗談を口にするかどうかに関しては、諸説あるところだが……今回のコレに関しては、冗談ではなく、ただのガチだぜ。ちなみに、蝉原も死んだ。あれは、嬉しかったなぁ。この手で殺せなかったのは、少々残念ではあるが、まあ、死んでくれただけで、万々歳だ」
「……蝉原に関しても、ガチなの?」
「ああ、ゴリゴリのガチだぜ。シャレの要素は一切ない。俺、ファッションじゃなく、マジで、あいつ嫌いだから、死んでくれて、超嬉しい」
「……ちなみに、なんで? 交通事故? ……そんな話は聞いてないんだが……」
「宇宙人に殺された。世間的に騒ぎになっていないのは、デスゲームの主催者ショデソウによって、情報操作とかされているからじゃねぇの? 知らんけど」
「……」
「安心しろよ、反町。そんな顔しなくていい。蝉原たちを殺した宇宙人なら、俺が、『そげぶ』で、撃退しておいた。俺の男女平等パンチを前にすれば、宇宙人も裸足で逃げ出す」
「……そこまでソリッドな戯言を貫いて、まだ、悪質な冗談じゃないと言い張る?」
「もちろんだとも。ちなみに、日曜日にも、宇宙人はわいたけど、巨乳で美人の現役赤高生キャバ嬢と一緒に、撃退してやったぜ。その時の俺の活躍があまりにもハンパなさすぎて、そのJKキャバ嬢から、『300人委員会の理事長になって、世界を裏から支配してくれないか』と頼まれた。どうだ、反町。俺のことを見直したか?」
「……ある意味な……」
冷めた面で、そういう反町。
そんな彼の背後に、
輝木が、ヌっと立って、
センをにらみつける。
そんな輝木のただならぬ気配に気づき、
反町は、振り返り、
「おわっ!!」
と、反射的にイスから立ち上がり、
3歩分、ザザザっと後退り。
反町は、輝木の殺気にビビリ散らかしながら、
「か、輝木……ど、ど、ど、どうした……なんだよ……もしかして、ついに、俺らを殺そうって? 勘弁してくれよ。いくら、目撃者が少ないからって、学校で人を殺したら、余裕で捕まるぞ」
そんな事を口にする。
……ちなみに、輝木の殺気は、センだけをロックオンしていて、その視界にも意識にも、反町は一切入っていない。
輝木は、反町の言葉を、完全に無視して、
センの目だけを、一心不乱ににらみつけ、
「……」
何も言わずに、目だけで、何かを訴えかけてくる。
そんな彼女に、センも、反町と同じぐらいビビっている。
センは、反町のように、『輝木の殺人鬼力』を恐れているのではない。
センは、自分が、輝木の何が、こんなに恐ろしいのか、理解できていない。
――ちなみに、輝木は、
センが、ウルアのことを『巨乳で美人』と表現したことが、
とにかく、全力で気に入らないから、にらみつけている。




