54話 お前が、その手の悪質な冗談を口にするの、珍しいな。イカれたことは言うけど、そういうイジメ系のコトは言わないやつだと思っていたぜ。
54話 お前が、その手の悪質な冗談を口にするの、珍しいな。イカれたことは言うけど、そういうイジメ系のコトは言わないやつだと思っていたぜ。
『無駄なコトをしているヒマはないぞ。もはや、GOOでは、センエースの相手にはならない。最低でも、アウターゴッドを召喚しないと』
「わかっているよ。今回、ガタノトーアを投入したのは、ただの箸休め。ウルアと輝木が出会ったことによる化学反応の方がメインだったからね」
蝉原はそう言いながら、
ケバい美女の死体に、
銃弾を数発ぶち込んでいく。
ズガン、ズガンと、小気味いいリズム。
しっかりと、死体を冒涜していく稀有なスタイル。
その様子を尻目に、
ショデソウが、半ギレで、
『無駄なことをしているヒマはないと言っているだろう。ゴミで遊ぶな。仕事に集中しろ!』
「遊んでいるわけじゃないよ。俺なりのレクイエムさ」
『蝉原!』
言うまでもないが、ショデソウは、死体で遊んでいること自体にキレているでのはない。
感覚的には『仕事中にスマホでゲームをしている人間を見てキレている』のと、同じ。
「そんなに焦らなくても、準備はある程度、整っているよ」
そう言いながら、心の中で、
(ここからが本番。結構な地獄を見る羽目になるけれど、今の俺なら、普通に乗り越えられる壁だ)
ボソっと、そうつぶやいた。
★
――翌日の朝は月曜日。
一旦、普通に、学校に登校したセン。
朝からずっと、ウルアからの連絡連打があって、
心底ウザそうな顔をしているセン。
おはようございますだの、元気ですか、だの。
どうでもいい内容ばかり。
学校に到着した段階では、
既にスマホの電源は切っている。
(あの女のダル絡み、マジでうぜぇな……どういうつもりか知らんが、とにかく、しつけぇ。俺のことがキモすぎて煽ってんのか? そこまで嫌われることは……してなくもないな)
などと頭の中で、彼女に対してイラつきつつ、
教室に入る。
すると、
「全然、人がいねぇんだけど……これ、どうした?」
高橋と、龍牙峰と、百目鬼は死んでいるので、
もちろん、いないわけだが、
ほかのメンツも、大半が休み。
「インフルで休めるのって、最大一週間とかじゃねぇの? てか、インフルじゃなかったやつも休んでんだけど……ネブミーも休んでいて……田中も休みか……お前と俺と輝木しかいねぇんだけど……やべぇな……離島の小学校かよ」
反町にそう声をかけると、
「別に、一週間と決まってるワケでもないんじゃね? 俺、小学生の時、インフルになったことあるけど、あの時、7日程度じゃセキが止まらなかったから、結局、10日休んだし」
「個体差は、そりゃ、あるだろうけど……」
そう言いながら、席につき、
センは、
「ちなみに、龍牙峰と百目鬼と高橋は、土曜日に死んだから、永久欠席な」
「……お前が、その手の悪質な冗談を口にするの、珍しいな。イカれたことは言うけど、そういうイジメ系のコトは言わないやつだと思っていたぜ」
「俺が悪質な冗談を口にするかどうかに関しては、諸説あるところだが……今回のコレに関しては、冗談ではなく、ただのガチだぜ」
「は? マジで死んだってこと?」




