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【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
永久閃光龍神D章 最後の砦。

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50話 『悪党感だけではなく、小悪党感もあった方が、悪としての総量が増す』というのが、蝉原なりの悪党論。

挿絵(By みてみん)

自作コミカライズ版27話配信中!

それを記念しての一日10話投稿!!


本日の1話目!


 50話 『悪党感だけではなく、小悪党感もあった方が、悪としての総量が増す』というのが、蝉原なりの悪党論。


(ついには、『いい女』だけではなく、『クズ女』相手でも……何も感じなくなったか……ガキのころは、相手がゴミだと、多少は興奮できたものだが……)


 などと、心の中でつぶやきつつ、軽くため息をついた蝉原。

 『このクズをどうやって殺してやろうか』と考えながら抱く行為に対し、昔は、それなりに欲情できた。だが、今は『無』だった。

 血液をコントロールすることができるので、勃起する事はできたが、性的には一切興奮していない。

 ケバい美女を抱いている間、蝉原の心は、ずっと、『穏やかな田園風景を眺めている時』ぐらい、静かで、無音で、無味で……


(……『幼稚な醜さ』を失っていく……『悪辣な穢れ』が薄れている……こんなザマで、俺は俺であると言えるのか……)


 自分自身の心奥に根付いているはずの『小悪党感』が消えかかっている事気づいて動揺する蝉原。

 悪党感や、威圧感に関しては日に日に増しているのだが、『安い醜さ』がかすれてきている。

 『悪党感だけではなく、小悪党感もあった方が、悪としての総量が増す』というのが、蝉原なりの悪党論。

 この機微は、たとえるなら、

 ――『日々数百億うごかし、数万単位の社員の人生に責任を持っている大企業の社長』が、『カブトムシに夢中になっていた時のような少年心』を『忘れたくない』……と考えるのに、少し似ている。


 『幼さ』・『無邪気さ』は、

 完全に無くしてしまうには惜しい手荷物。


 ……そんな蝉原のタメ息に反応した、

 ベッドの上のケバい美女が、

 蝉原に、


「……こんなに、つまらなそうに抱かれたのは初めてだわ。あなた、もしかしてゲイ?」


「もし、そうだったら……あるいは、少しは楽だったかもしれない。……いや、どうだろうな……」


「……は? 何言ってんの?」


「さあ、何を言っているんだろうね」


 と、軽く鼻で笑いつつ、

 蝉原は、高級そうなソファーに腰かけ、

 彼女の方に視線を向けて、


「一つ、質問いいかい?」


「別にいいけど」


「君は、これまで、3人の旦那を亡くしているわけだけれど……全部、君が殺したのかい?」


「ふふ……みんな、同じ質問ばっかり。お金持ちと結婚するとやっかみが多くて困るわ。ちなみに、あなたは、どう思う?」


「二人目以外は殺したんじゃないかい?」


「……」


「二人目の旦那は……普通に伴侶にするつもりで結婚して……というか、その二人目の男と結婚するために、最初の旦那を殺した感じかな」


「……」


「もっといえば、最初から、二人目の旦那……ここでは、B男と呼んでおくけど……君は、B男と快適な結婚生活を送るために、一人目の旦那……資産家のジジイ『A男』を騙して結婚した。殺して、遺産を奪うための……ビジネスとしての婚姻」


「だましてはいないわ。向こうが求婚してきただけ。それで死んだだけよ」


「俺の前で嘘はつかないでいいよ。分かっているだろ?」


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自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
悪というテーマを深く掘り下げた、 非常に哲学的で引き込まれるシーンでした! 特に悪党感だけではなく、小悪党感もあった方が、 悪としての総量が増すという蝉原の悪党論に痺れました。 悪の深みや美学を追求す…
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