40話 キモい女ばっかりに囲まれて、大変だねぇ、センくん。本気で同情するよ。こんなキモ女どもを相手にするぐらいなら、一生独身の方が絶対にマシ。
40話 キモい女ばっかりに囲まれて、大変だねぇ、センくん。本気で同情するよ。こんなキモ女どもを相手にするぐらいなら、一生独身の方が絶対にマシ。
(え……なに? どういう状況? なんで、輝木、あんなことになってんの? ……あれって、絶対に、『金戸ウルアを守るため』に変身したんじゃねぇよな? だって、殺すって叫び続けているし……つぅか、殺戮神化って何? あいつ、変身パターン、いくつ持ってんの……?)
もはやガタノトーアDなど相手にしている場合ではない、
と、即座に理解したセンは、
足にオーラを集中させて、
一気に、輝木の元まで駆け寄ると、
「おい! 輝木! お前、どうなっている?! あのGOOが、お前に、何かしたのか?! それとも、別角度からの精神攻撃か?! おい! 気をシッカリ持て! 俺が誰かわかるか?! わからんよな! クラスでも、存在感ゼロだもんな! 記憶に残らんよな、こんなモブ! だから、俺のことが分からなくても失礼でもなんでもないぞ! その事実がショックで、俺、泣いちゃうぞ!」
なんとか、おどけて、輝木をなだめようとするセン。
だが、輝木の暴走は止まらない。
殺戮神化に呑まれて、自我を失っている様子。
その様子を尻目に、
センの右手に握られている『蝉原デスガン』が、
内心で、
(……『輝木がウルアにキレて、殺戮を発現したらいいなぁ』……と考えてはいたものの……まさか、ここまで、完璧な想定通りに事が進むとは……『薬宮シリーズ』の『センエースに対する愛情と執着心』は、本当に異常だな。……まあ、その辺は、紅院シリーズや、酒神シリーズも同じなんだろうけど。キモい女ばっかりに囲まれて、大変だねぇ、センくん。本気で同情するよ。こんなキモ女どもを相手にするぐらいなら、一生独身の方が絶対にマシ)
蝉原デスガンが、センに同情していると、
そこで、殺戮輝木が、ウルアに向かって、
「異次元砲ぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
激烈な火力の異次元砲を放った。
そのとんでもない火力をもろに受ければ、ウルアは秒で蒸発する。
状況を理解すると同時、
センはウルアの前に飛び出して、
「ドリームオーラ・オメガバスティオン!!」
キャンセル技で、異次元砲を消失させていく。
輝木のハンパない一撃を消し去ったセンは、
輝木を見つめながら、ボソっと、
「おいおい……お前のオーラ……ウムルDより禍々しくて、研ぎ澄まされている気がするんですけど……気のせいっすかね? 気のせいだったらいいなぁ……」
気のせいではなかった。
殺戮神化状態の輝木は、ウムルDよりもはるかに質の高い邪悪さを放っている。
存在値的には、ほぼ同列で、旧カンスト級なのだが、
戦闘力や基礎圧力の部分で、ウムルDを大分置き去りにしている。
完全に自我を失って暴走している輝木は、
「うぁあああああああああああああああああ!!」
さらに、魔力とオーラをひねり上げ、
その全てを両手に結集させていく。
膨大なパワーで、また異次元砲を撃とうとする輝木。




