27話 夢の話、やめようぜ。マジで意味ねぇ。互いが、互いに、よく見る夢の話をぶつけあうとか……あまりに、キモすぎて、ヘドが出そうだ。
27話 夢の話、やめようぜ。マジで意味ねぇ。互いが、互いに、よく見る夢の話をぶつけあうとか……あまりに、キモすぎて、ヘドが出そうだ。
「私、幼少期から、頻繁に、同じ夢を見ていましてぇ……『生きていると虹色の神様を召喚してしまう呪いにかかっているから、自殺しなければいけない夢』とかぁ……」
「ずいぶんと電波な夢をみてやがんな。常に、あらゆる角度から、異常性を匂わせてくる、その強固かつストロングなスタイル。……ちなみに、俺は、『ハシゴかなんかを使って高いところにのぼる夢』とかはよく見るぜ。あと、『全然分からない問題ばかりのテスト』を解いている夢。あと、何かしらの罪を犯してしまって、警察から必死で逃げている夢とかも、たまにみるな。で、起きた時にほっとするんだよ。あ、俺、犯罪者じゃねぇから逃げなくていい……ってな」
「ほかにも色々と、夢を見るんですけどぉ……だいたい、エグい悪夢なんですよねぇ……なんでですかねぇ」
「フロイト先生に聞いてくれ。俺に聞かれても、『知るか、ボケ』以外の返事を持ち合わせていないから。……てか、夢の話、やめようぜ。マジで意味ねぇ。互いが、互いに、よく見る夢の話をぶつけあうとか……あまりに、キモすぎて、ヘドが出そうだ」
などとブツブツ言っていると、
そこで、
『それまで黙って食べていた久剣』が、
ぽつりと、
「……そろそろ夜がくるけど……また、昨夜のウムルDみたいに、めちゃくちゃ強い宇宙人がくる……のかな……」
と、不安げにそうつぶやいた。
その発言に対し、センは、視線を背けながら、
「……たぶんな。もうチュートリアルは終わっていて、ここから先は、もう、ずっと、地獄の本番。常にエグい怪物が、地球人を皆殺しにしようと、襲い掛かってくる……と、考えておいた方がいいだろう」
「……最悪なんだけど」
「同意見だぜ。気が合うじゃねぇか。今度、一緒にメシでもどう?」
「……今、まさに、同じ場所でご飯を食べているのだけれど? というか、さっき、あなた、ご飯は一人で食べたいって言ってなかった?」
「適切な指摘だ。小気味いいねぇ。やはり、男女の会話ってのはこうじゃないといけねぇ」
などと、センが満足げな顔をしていると、
そこで、輝木が、センの袖を引きながら、
「なんで、私の誘いは断るのに、久剣サンのことは誘うんですかぁ」
と、ふくれっ面で、そんなことを言ってきたので、
センは、心底、ダルそうかつしんどそうな顔で、
「いや、今のは、誘うとか、そんな『高次元の対話』ではなく……俺の『いつものスタイリッシュな病気』が暴発しただけで……てか、説明しなくても、ほんとはわかるよね?」
ため息交じりにそう言ってから、
「つぅか、輝木さんよぉ……俺が言うのもなんだが……現状は、そんな、しょぼいボケではっちゃけてる場合じゃねぇぞ。チームのリーダーとメイン戦力が死んでんだ。おそろしく悲惨な状況……今は、『この状況をどうにかする必要性』と真摯に向き合おうぜ」




