22話 強大な宇宙人はウムルDだけではない。他にも、うじゃうじゃいるし、その中には、ウムルDを遥かに超越した『宇宙人の神』の中の『神』も存在する。
22話 強大な宇宙人はウムルDだけではない。他にも、うじゃうじゃいるし、その中には、ウムルDを遥かに超越した『宇宙人の神』の中の『神』も存在する。
「質問にはこたえなくていいから! 薬草だけでも買わせろ! このままだと、閃が死ぬ!!」
と、悲鳴のような激昂を吠える久剣。
しかし、ショデソウは、淡々と、
「現在、アイテムショップのメンテナンス中であるため、アイテムの購入はできない。メンテがあけるまで、しばらくお待ちください」
「……っ!」
とことん機械的な対応という、明確な『逆撫で』を受けて怒りが加速する久剣。
そんな久剣の感情など知ったこっちゃないと言わんばかりに、
ショデソウは、
「あらためて言っておくが、ウムルDは、一時撤退しただけで、倒せてはいない。つまり、また襲ってくる可能性が十分にあるということ。また、強大な宇宙人はウムルDだけではない。他にも、うじゃうじゃいるし、その中には、ウムルDを遥かに超越した『宇宙人の神』の中の『神』も存在する。……貴様らの闘いはここからだ」
センの意識があれば、『打ち切られてんじゃねぇか。勝てる未来を想い描けなくて、作者が投げたパターンだろ、これ』とでも、ファントムに返していくだろうが、
それ系の素養も教養もない久剣は、
ただただ、奥歯をかみしめて、
「……ぐっ」
涙を我慢することしかできなかった。
……いや、我慢できていない。
普通に、ちょっと泣いている。
★
――夜明け前に、輝木が目を覚ました。
輝木の場合、ダメージなども受けていないので、普通に意識を取り戻した感じだが、
『約束神化』を使った影響で、全身のあらゆる細胞に、相当な負荷がかかったらしく、
『鉄人レースを三周した運動不足ランナー』の翌朝みたいに、全身バキバキで、
指一本動かすだけでも苦労していた。
輝木は、根性で、どうにか上半身を起こすと、
隣で倒れているセンを確認してから、
キっと、久剣を睨みつけ、
「久剣サン……どうして、センイチバンに薬草を使っていないんですかぁ? 彼が、命がけで、私たちを守ってくれたことくらいは……把握できていますよねぇ? それなのに、9ポイントを惜しむなんて……あなた、それでも人間ですかぁ?」
そう言うのと同時進行、
自分のポイントで薬草を買おうとする輝木。
だが、
「……? あれ……買えない……アイテム一覧を開くことすら……それに、ポイントも……6のまま……」
「買えないだろ。メンテ中らしい。あと、『ウムルDは逃げただけ』で『倒せていない』から、ポイントは入らないとさ」
「……」
状況を理解すると同時、
輝木は、
「約束……神化……っ」
あの時のことを思い出しながら、
変身しようとするが、
(……できない……というか、そもそもやり方が分からない……)
あの時変身できたのは、
極端な『火事場のバカ力覚醒』でしかなく、
平常時に『自由に使えるものではない』と理解する。
だとすれば、もはや、残った手段は、
「びょ、病院に……」




