19話 愛の奇跡で、輝木が、小覚醒して、センの支えとなり、ウムルDにダメージを与えることに成功した。ちょうど、そのタイミングで、ウムルDの召喚時間が終了した。
19話 愛の奇跡で、輝木が、小覚醒して、センの支えとなり、ウムルDにダメージを与えることに成功した。ちょうど、そのタイミングで、ウムルDの召喚時間が終了した。
――認知の領域外で、でかいエアウィンドウに表示されている『久剣の様子』を観察している『蝉原勇吾』とショデヒの二人。
久剣が、黙々と、後処理をしている様子を尻目に、蝉原が、心の中で、
(……『輝木の封印』が、一瞬だけ解けたな。……いらない奇跡だね。……別に、輝木がどうこうしなくても、センくんなら、輝木を守りきることはできた……)
などと、考えていると、
ショデヒが、
「な、なんだ……? どうなっている? なぜ、輝木トト詠が……あんな変身を……あいつは、私の半身でしかないはず。なのに、なぜ……な、何がなんだか、さっぱり分からない……」
と、頭を抱えて混乱している。
そんなショデヒに、蝉原が、
「愚かだね。何が起きたのか、本当にわからないのかい?」
と、軽く煽っていくと、
ショデヒは、蝉原に視線を向けて、
「……貴様には分かるのか……蝉原勇吾」
「もちろん」
「……教えてくれ。……何が……どうなった?」
「愛の奇跡で、輝木が、小覚醒して、センくんの支えとなり、ウムルDに、総生命力の7割ぐらいのダメージを与えることに成功した。……で、ちょうど、ダメージを受けた直後ぐらいのタイミングで、ウムルDの召喚時間が終了したから、領域外に自動転送された。今は、領域外で、傷をいやしている。以上。何か質問は?」
「……『愛の奇跡』というのは、何の比喩だ?」
「別に、なんの例えでもないよ。文字通りの意味さ」
「……そ、それは、どういう類の冗談だ? センエースのファントムトークとやらか?」
「いや、違うね。中身のない言葉は一言も使っていない。俺は、さっき、あの場でおきたことを、不備もぬかりもなく、端的かつ完璧に解説し尽くした」
「……」
「輝木トト詠のコアデータは、『トリックスターの因子』で上書きされているはずだが……まあ、その程度じゃ、『原初の愛』をデリートすることなど出来ないということだろうね。彼女の中に刻まれているのが『薬宮トコ』以外の因子だったら、デリートできていたと思うけれど……ああ、いや、どうだろうなぁ……誰の因子であろうと、完全消去はできなかったかもなぁ……その辺は、正直、俺には分からないけれどね」
「……な、何を言っているのか……さっぱりわからん。ちゃんと説明しろ。蝉原勇吾」
「薬宮シリーズの因子は、狂愛のアリア・ギアスによって、重たい呪いをもっているけれど、その代わり、『全体的なスペックが底上げされる』という特質を持つ。運命の相手を『必ず』見つけ出すためには、低スペックだと、色々困るんだよ。薬宮シリーズが、総じて、優秀な能力を持つのはそのため。まあ、中には、大して強化されていない個体もあるけれど、なんでも例外はあるということ。基本的には優れた肉体を持っている。第一アルファ人の薬宮シリーズである『輝木』の肉体は、とんでもなく優れている」
本編もだいぶ怒涛の展開が待っていますが、
自作コミカライズ版の方でも、
だいぶやばい展開が待っております(#^.^#)
両方、楽しみにしてもらえると嬉しいです<m(__)m>




