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17話 主への想い選手権。


 17話 主への想い選手権。


(……やはり、暴露のアリア・ギアスは、空間生成条件の一つだったようだな……それはいいんだが……もし、条件を達成できず拘束されてしまえば、外でタップリと魔力をタメているゾメガの強大な一撃が必中になる……なかなか、厄介っ)


 理解すると、アダムは瞬間移動でミシャとの距離をつめる。


(だが、しょせんは、30秒以内に一人を削ればいいだけ! 特殊型のミシャでは、私の全力には耐えられない!)


 アダムは膨れ上がった魔力を注ぎ込んで、


「異次元砲!!」


 ほぼゼロ距離で、ミシャに異次元砲を叩きこんだ。


「ぬぬぬぅ……うぐぅうう!!」


 アダムの凶悪な異次元砲をダイレクトに受けるミシャ。

 少女モードのミシャなら、ワンパン確定の一撃だったが、


「ぬぅああああ! くぅ、負けるかぁああああ!」



 最終形態ミシャは、ほとんどダメージを受けずに、異次元砲を耐えてみせた。

 その微小ダメージすら、すぐに回復していっている。



「っ……か、硬っ……なんだ、その膨大な生命力……」



「私を……ミシャをナメるなよ、アダム…………師を……セン様を最も愛しているのは、ミシャなんだよぉおお!!」



 最終形態になった事で膨れ上がったのはHPだけじゃない。

 全てが凶悪に膨れ上がったミシャンド/ラの底力は、アダムの想定を遥かに超えていた。

 背負った業。

 託された想い。

 受け継いだ意志。


(こ、これほど……)


 圧倒される。

 押し込まれる。



(主上様への愛……負けているとは毛ほども思わないが……こいつのソレは……どうやら、それなりに大きい……)



 すでに、ミシャは、この『アダムとの戦闘』での自分を切っている。


 三対一で闘うと決めた瞬間から、ミシャは、『自分』を捨てた。

 『主への想い』以外の全てを捨てて、アダムを止める歯車の一つに徹した。


(計算ミス……いや、単純に、覚悟が足りていなかった……『ナニが何でも、こいつら三人を削り切る』という覚悟……)


 上位者としてスマートに事を済まそうとした代償。

 圧倒的に、泥臭さが足りなかった。


 これは『弱さ』に分類される甘え。

 あってはならない無様。

 押し込まれている中で、アダムは猛省する。


(30秒……ダメだ……届かない……)


 結局、アダムはミシャを削り切れず、

 確定五秒の硬直ペナルティを受けた。



 カラミティボックスが解除され、アダムはゾメガの目の前に排出される。

 『攻撃範囲内から離脱しようと、高速でアダムから距離をとって安全地帯まで避難するミシャ』の背中を見送ってから、

 ゾメガは、迷いなく、






「――\/\ 【エニグマ・ミーティア】 /\/――」






 72丁のフルパレードゼタキャノンを融合させて放つ、

 ゾメガが誇る最大の必殺技。


 『フルパレードゼタキャノンの冷却時間』に極振りしたゾメガの『超々々特化ビルド』をもってしても、丸一日以上、フルパレードゼタキャノンが使えなくなってしまう、ハンパなく燃費の悪い一撃。


 その分、火力は絶大。

 まともに食らえば、タンク型の平熱マンですら、余裕で一撃死してしまう領域外の一手。

 そんなものが、


「ぐぁああああああああああああ!!」


 モロに直撃。

 凶悪な照射が、アダムを消滅させようと、ゴンゴンと唸りを上げている。



「ぐぁああ――ぬぅうう――強大だ! 認める! だが、しかし! ……これ……なら……耐えられるっ!! 貴様らごときにぃい! この私がぁああああ! 殺される訳ねぇだろぉ、くそがぁあああ!!」


 叫び、自分に気合いを入れる。

 耐えられるかどうか、実際、微妙なところ。

 だからこそ、気合いを入れ直した。


 ――『ソレで決まる』と、魂が理解したから。


 積み重ねてきた精神力が、アダムを支える。

 主への想いが、アダムの芯となる。



「うぅぅぉおおお――」




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