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9話 『ゼン』VS『バスターデーモン(ズ)』


 9話 『ゼン』VS『バスターデーモン(ズ)』


 ゼンは、雷術をブチこんだ剣で、バスターデーモンを、一刀のもとに切り伏せる。

 まだまだ剣はヘタクソだが、止まっている敵を切るくらいは出来る。

 それに、雷術剣の場合、当たればいいいのだ、当たれば。


 ※ もちろん、剣の技術が高ければ高いほどダメージは増える訳だが。



「グガガッ!」


 バチバチと焼けて倒れるバスターデーモン。

 スマートなワンパン。


 『動けない相手・弱い相手』には強いゼン!

 『トドメをさすだけでいい相手』にはめっぽう強いゼン!


「ふぅ……これで、予選は終了。あとは本戦か。予選でこの難易度だと、先が思いやられるなぁ」


 と、ゼンが一息ついていると、


「……ん?」


 ゼンの目の前に、また、ジオメトリが出現し、

 新手のバスターデーモンが出現した。


「……ぇ、どういう……」


 戸惑っていると、アビスが、


「誰が、一匹で終わると言った? 君が引いたのは大凶中の大凶である100万番。バスターデーモン一匹で終わるワケないだろう」


 などと、ふざけた事を言ってきた。


「んーだよ、くそ……めんどいなぁ」


 仕方なく、ゼンは、また呪縛で足止めをしてから、

 雷術剣でバスターデーモンをぶったぎる。



 バスターデーモンが消滅したのを確認してから、

 ゼンは、アビスを睨みつけて、


「おい、黒トカゲ。説明してもらおうか。とりあえず、俺は今、2匹のバスターデーモンを倒したわけだが、さっきの言い方だと、どうせ、これで終わりじゃないんだろ? 俺は、あと、何を何匹殺せばいいんだ?」


 尋ねてくるゼンに対し、

 アビスは、ゆっくりとした口調で、


「ルール1。君の敵は10秒ごとに沸いてくる」


 たんたんと説明をしはじめた。


 その途中で、またバスターデーモンが沸いたので、

 ゼンは同じ手法でぶっ殺そうとした――が、



「グギィ……クッ……ヌォオオオ!」



 殺し切れなかった。

 致命傷のダメージを与えたが、死に切ってはいない


 呪縛で足止めしているため、

 生き残ったからといって、バスターデーモンはゼンに何もできない。


 現状だと、『ただ寿命が数秒伸びた』だけ。


 ゼンは、首をかしげつつ、もう一撃を叩きこむ。

 二発目の攻撃で、流石に死んだ。


 その状況を確認してから、アビスは続けて、


「ルール2。沸いてくる敵は、徐々に強くなる」


 二番目のルールを聞いて、ゼンは渋い顔で舌打ちをした。


 アビスを睨みつけ、ゼンは言う。


「……ルールが複雑な場合、言葉で説明する前に、体験させる方針、か……非常に分かりやすくて大変助かるね。で? 肝心のルール3は? 『10秒ごとに沸いてくる上、徐々に強くなっていく敵』を、俺はこれから、何匹殺せばいいんだ? 10か? 20か? まさか、50とか100とか言わないだろうな」


 アビスは、たんたんと、


「ルール3、現在、この空間は、時間圧縮を受けている」


「……どんだけルールあるんだよ。つぅか、まずは、ゴールを言え、ゴールを。何匹殺せばいいんだよ。ぶっちゃけ、現状、それ以外はどうでもいいんだよ」



「この空間内における時間圧縮の効果が発動するのは、『私』と『君』と『沸いてくるモンスター』だけ。振り返って、チームメンバーの姿を確認してみるといい。動いていないだろう? 実際には遅くなっているだけで徐々に動いている、とテンプレを言っておこう」


 そこで、ゼンの耳がピクっと動く。


(テンプレ……ねぇ……)


 色々と頭の中で疑念が沸いたものの、答えが出せそうな状況ではなく、

 おまけに、アビスの説明は続いていたため、今は、その疑問を捨てておく。


「ゆえに、予選の時間切れを心配する必要はない」


 ※ ちなみに、『この空間』は、ダンジョンの管理者権限によって創られたものではない。この空間を作り出す為に必要なエネルギーは尋常ではなく、それは、最果てに至った究極超神でもなければ不可能な領域。


「……おいおい、ずいぶんと脅してくれるじゃないか。その言い方だと、俺の最終予選は、『時間圧縮しないと時間切れを心配しなきゃいけないほど長引く』って聞こえるんだが」


 アビスは、ゼンの問いに一切答えず、


「さぁて、では、君がずっと気にしている『最も重要なルール』を説明しよう。予選を突破するために、君が倒す必要があるモンスターの数は」


 そこで、ニっと黒く笑い、






「……100万匹だ」




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