119話 野郎ども!! あのイケスカねぇブラマジを八つ裂きにしてやれぇ!! ヒャッハァああああ!!
119話 野郎ども!! あのイケスカねぇブラマジを八つ裂きにしてやれぇ!! ヒャッハァああああ!!
センは、エルワンの剣を使い、腹を割いて、鍵を取り出し、エルワンに回復魔法を使ってもらう。オーラで止血もできる状態だが、せっかく回復魔法が使えるのだから、使わない手はない。
「よっしゃ、レディ・パーフェクトリー! 準備は完璧に整った! これより、本格的に、この地獄遺跡から脱出する! 未来は僕らの手の中!! センエースオールスターズ、出撃ぃいい!!」
例の宝箱をスルーして、
先へ先へと進んでいく。
別ルートを辿って、未知の強敵に出会うのも面倒だったので、アストラルマジシャンが徘徊していたルートをアタックするセンエースオールスターズ。
「見つけたぁあ! 野郎ども!! あのイケスカねぇブラマジを八つ裂きにしてやれぇ!! ヒャッハァああああ!!」
配下のモンスターに『ガンガン殺そうぜ』の命令を飛ばしながら、
「汚物は消毒だぁああああ!!」
アストラルマジシャンをボッコボコにしていく。
アストラルマジシャンの存在値は、センエースオールスターズの誰よりも高いが、ぶっちぎって高いわけではないので、多勢に無勢。
「前の時は、よくも、いたぶってくれたなぁ、ブラマジもどきさんよぉ!! 貴様に殺されかけた第一アルファ人の怒りを思いしれ!」
トドメはセンが担当した。
ここまで戦闘では、基本的に、
トーキ&ネオカマキリがタゲ取り、
2体のエルダーワンダーナイトがメイン火力を担当し、
センは、アストラルマジシャンの周囲をチョロチョロしながら、たまに閃拳を撃つという微妙な仕事しかしていなかった。
アストラルマジシャンに与えたダメージ割合で言えば、2体のエルダーワンダーナイトが65%、トーキが11%、ネオカマキリが5%、セン19%ぐらい。
まあ、センも閃拳でそこそこダメージを与えているが、一番活躍したのは、確実にエルダーワンダーナイト。
しかし、アストラルマジシャンにトドメを刺したセンは、まるで自分がメイン火力を担当したかのような顔で、
「ふはははははは!! 勝った! 勝ったぞぉおお! 俺がガ◯ダムだぁああああ!!」
誇らしげにそう叫ぶセン。
「あ! 感じる! レベルアップの波動を感じるぞ! キタキタキタァアアア! ついに、我、真なる絆を得たりぃいい!」
実際のところ、
センは、アストラルマジシャンを倒した経験値を得て、可能性の扉をこじ開けた。
ただ、強化されたのは、
『召喚メモリ』のみで、他のステータスはいっさい上がっていない。
そのことに、感覚で気づいたセンは、
「おい、マジか! なんか、レベルアップはしたっぽいが、筋力とか体力とか、そっち系の基礎ステ関係は、全く上がってないっぽいぞ! なんだ、これ! なんでだ!?」
軽く飛んだり跳ねたりしてみたり、
シャドーボクシングをしてみたりするが、
肉体の性能に変動は一切見られない。
「俺、もしかして、モンスターマスターみたいに、『モンスターを操る指揮官としての能力』しか上がらない感じ?! ふざけんなよ! 徹底的なレベルアップで、比類なきパワーとスピードを獲得するのが夢だったのに!! 俺がなりたいのは、マスタ◯テリーじゃなくて、スーパーベジ◯タなんだよ!」




