116話 センエースオールスターズ。
116話 センエースオールスターズ。
センが召喚したエルダーワンダーナイトは、特に際立った弱点はなく、回復魔法も攻撃魔法もそれなりのクオリティで使える万能モンスター。特化した部分は皆無だが、ここまでバランスがいいと、もはや、『特化したバランス』と言ってもいいかしれない。
「礼儀正しいだけじゃなく、それなりに強そうじゃねぇか。オラ、ワクワクしてきたぞ。……いっちょ、戦ってみっか」
そう言いながら、武を構えるセン。
「いくぞ、エルダーワンダーナイト。お前の力を俺に見せてみろ」
「了解、マスター」
「その返事もいいねぇ! ひゅうぅ!」
そう叫んでから、
センは、エルダーワンダーナイトに殴りかかった。
エルダーは、そのムーブに対して、
「連続光撃ランク7」
だいぶ強力な魔法で応戦してきた。
ただでさえ強力な光撃の連打。
センは、
「ちょっ、あの……まっ……エルダーさん……あの……どぉわっ!!」
近づくことすらできず、吹っ飛ばされる。
軽く飛ばされたセンは、
痛む体を引きずりながら、
「や、やるじゃないか……エルダーさんよぉ。今の一撃は、なかなかだったぞ。ま、まあ、俺には効いていないわけだが、それは、相手が悪すぎただけ――」
と、センが負け惜しみにかまけている間も、
エルダーワンダーナイトは、
「圧殺光撃ランク7」
容赦なくトドメの魔法を使おうとしていた。
センは、慌てて、
「ストップ、ストップ、ストップぅう!! おめぇの強さはよぉくわかった! オラはもうやめとく!!」
停止の命令を受けて、
エルダーワンダーナイトの動きが止まる。
「く、くそったれぇ……遠距離魔法を使われたら、なんもできんなぁ……俺も、早急に『かめ◯め波』をマスターしないとなぁ」
いったん、目標を再設定してから、
センは、エルダーワンダーナイトに視線を向けて、
「俺のゴミっぷりはともかくとして、お前、なかなか強いな。そんだけの強さがあったら、ワンチャンあるな」
そう言いながら、また親指を噛んで、
地面にジオメトリを描き、髪の毛をセットして、
「異次元砲を撃てるスライム、でてこいやぁ!」
高性能スライムと、
あと、
「トーキとカマキリも来い! みんなでいくぞ!」
トーキ&ネオカマキリも呼び出し、
センエースオールスターズを結成すると、
「いくぞ、野郎ども! 今度こそ、カラミシンキのクソったれを地獄に叩き落とす! これまで、散々、調子こきやがったアンチクショウに、今日という今日は、目にもの見せたるんじゃい!!」
気合いを入れて、
禍羅魅神鬼に殴り込みをかける。
※ちなみに、『これ以上の数を召喚すること』はできなかった。できれば、スライムやカマキリを10体ぐらい呼びたいと考えたセンだったが、現状の『メモリ』だと、これ以上の召喚はできないっぽいと、感覚で悟る。
★
結論を言うと、そこそこのダメージを与えることには成功した。
スライムの異次元砲で挨拶をかまし、
かるく怯んだところを、トーキ&ネオカマキリの前衛部隊が突撃。
近接物理の連打でタゲをとってもらい、
隙を見て、
センが閃拳をぶちこみ、
エルダーワンダーナイトが、
強力な魔法の連打を浴びせる。
徹底的にガンガン攻めた結果、
なんとか、禍羅魅神鬼のHPを半分ほど削ることに成功。
自作コミカライズ版に関して、
報告しなければならないことがあります。
身体的、スケジュール的に、
色々と鑑み、
悩みに悩んだ結果、
苦渋の選択をすることになりました。
おって、詳細を報告させていただきます。




