113話 反復練習の鬼センエースのキチ〇イぶりは留まるところを知らない。
113話 反復練習の鬼センエースのキチ〇イぶりは留まるところを知らない。
「悪いが、ここから、結構長めに付き合ってもらうぞ。俺が反復練習すると決めたら、そこから、だいぶしつこいから、覚悟してくれ。……まずは、お前ら、俺に一発かましてこい。で、その後、俺がお前らに一発を入れる。それを延々に繰り返す。防御と攻撃、両方を鍛えていく」
そう宣言してから、センは、武の真髄を求めたエンドレスワルツと洒落込む。
トーキに殴られ、
ネオカマキリに殴られ、
そして、そのおかえしに、
トーキとネオカマキリをぶん殴る。
そんな暴力の応酬を延々と繰り返す。
『完全なるキチ◯イ』がドン引きするぐらい、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も繰り返す。
本当に異常だった。
センは、淡々と、ひたすらに、
トーキ&ネオカマキリに殴られては、
『オーラをこめた拳』を血肉化させようと繰り返す。
10回、100回……
この時点で、もう、相当に、頭がおかしい。
腹からカギをとり出し、トーキ&ネオカマキリを殴り続け、
干からびて死にそうになったら過去に飛ぶ。
それを200回、500回、1000回と延々に繰り返す。
これをキ◯ガイと言わずしてなんと言う。
繰り返す中で、センは気づいた。
『センに付き合わされているトーキ&ネオカマキリの防御力』が、だんだん上がっていること。
どうやら、トーキ&ネオカマキリの肉体も、回復された上で過去に送られている模様。
何度も受け止めてきた致命傷が、トーキ&ネオカマキリの肉体を強制的に進化させた。
進化種になったのではなく、単純に肉体が、環境に適応していっている。
「お前らも強くなるなら……強くして行った方がいいよなぁ。うん……オーラの基本的な扱いにも慣れてきたし、ここからは、普通に戦っていこうか」
そう決断を下して以降、
センは、ひたすらに、
トーキ&ネオカマキリと普通に戦い続ける。
不思議なもので、
戦いを繰り返すことで、
どんどん、武が体に染み込んでくる。
まるで、『慣れ親しんだ型』を『思い出す』みたいに。
これは、もはや天才と言ってもいいかもしれない成長速度と吸収率。
「俺は……どうやら、武道の天才だったらしい……驚くほど、スルスルと強くなれる……」
そこで、センは天を仰ぎ、
「なんの才能もない凡夫だと思っていたが……まさか、武術の資質で溢れていたとは……まさに、事実は小説より奇なり!」
自分の資質に感動するセン。
……言うまでもなく、センに才能はない。
ただ、『200兆年繰り返してきた軌跡』が、『魂魄の髄に刻まれている』と言うだけ。
この辺のソレは、ローグライクにおける『リセットされない永続強化要素』みたいなもの。
……ただ、現状そんなことは知るよしもない、我らがセンさんは、
「ふははははは!! 見える! 見えるぞ! トーキ、そして、カマキリ! お前らの動きが止まって見える! げへへへへへへ! なんて凄まじい才能だ! どんどん強くなる! これが才能!! 素晴らしい!! 最初からわかる! 最初からできる!」




