本音。
本音。
えぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐい。
マジで、作業が終わらんって……
奇跡的に、あと二週間でコミカライズ68ページ+特典30000字+本編10話分が終わったとしても、
すぐにまた同じ量の作成にとりかかって、
一か月後にはまた同じ量……
その一か月後にはまた……
えぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐいえぐい
舞い散る閃光「元気いいねぇ。何かいいことでもあったのかい?」
ちょっとマジで、やばい。
これ、エタる可能性が、マジで高くなってきた。
どっかのタイミングで、心が折れて、全部放り出す未来が見える。
マジでやばい……
やばいやばいやばいきついきついきつい……
舞い散る閃光「じゃあ、もう、やめればいいと思うよ」
……
舞い散る閃光「別に、誰も、そこまでやれとか言ってないし。だいたい、あんたが描く落書きに500円払う人なんかいないから。500円ナメんな」
30分バイトすれば稼げる額だろうが!
めちゃくちゃ楽な内職でも1時間半あれば稼げる額だぞ!
こっちが、どんだけ必死になって創ってると思ってんだ!
すでに、作業量は250時間超えてんだぞ!
大の大人が、死ぬ気で250時間以上かけて創った商品だぞ!
最低賃金でも20万はもらえる時間やってんだぞ!
500円が、そんなに高いか!!
舞い散る閃光「500円が高いか安いかじゃなく、あんたの落書きにその価値があるかという話をしている」
……だから! 覚悟をしめしたんだろうが!
わかってんだよ、自分の力量も! 金の価値も!
だから、少しでも、ほんの少しでも価値あるものにしようと、血反吐をはいてんだろうが!
ただの落書きじゃなく、価値のある漫画にするために、必死になってやってんだろ!
生活めちゃくちゃになるぐらい、必死に!
人生の楽しみ全部捨てて、バカみたいに早起きして、昼休みも休日も全部潰して!
頭もうろうとして、普通に体調崩して、
腰も指も目も首も全部痛くて、
でも、這いつくばって、ずっと、ずっと、ずっと!
「だから? なんか、鬱陶しいんだけど。すごいねって言ってもらいたいの? 頑張っているねって励ましてもらいたいの? そういう、かまってちゃんのカツアゲ、マジでキモいんだけど」
そんなんじゃねぇ!
誉めてもらいたいと思ったことなんて一度もねぇ!
喝采も! 賛美も!
何もいらない!
「じゃあ、なんで、そんなに頑張ってんの? 人生を潰してまでやっている理由ってなに?」
……
「もう、なんか痛々しいんだよね。そんなに苦しいなら、やめればいいんだよ。どうせ、誰も期待してねぇんだから。苦しい苦しいって、鬱陶しくわめくくらいなら、やめちまえ。もういっそ、全部、投げ出して、ゲームでもやってろよ。もしくは、一日中、ユーチューブかネットフリックスでもみてればいいんじゃね? その方が、よっぽど楽で幸せだ」
……
「もういいだろ。無理なんだろ? そりゃ、無理だろ。普通に考えて無理だろ。あんたが言ったように、1回や2回の無茶ならともかく、このやべぇ作業量を、ずっとは普通に無理だろ。祝日休みなしの半ブラックな仕事をしながら、毎日2話投稿しながら、毎月一回1日10話投稿やって、60ページの漫画を単騎で描いて、3万字以上の小説を特典として用意する……無理だって。やる前から分かるだろ、バカか」
……
「というわけで、無理でした。これで終わり。もういいから。……疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ。だから、もう寝よう」
……寝ているヒマはない。
まだ、今日の分のノルマが終わっていない。
「だから、もうやめろって」
やめない……
やめたら終わってしまうから……
「いいじゃん、終わったって。どうせ、誰も期待して――」
私が期待している。
お前に。
「……」
少なくとも、ここに……一人いる。
「……」
それに、期待していると言ってくれている人は、他にもいる。
誰も期待していないわけじゃない。
「……」
だから、やめない。
「……じゃあ、心が折れそうとか言わないでくれます?」
たまには、弱音ぐらいはくさ。
人間だもの。
「……」
さあ、続けよう。
私とお前の旅は、
まだ終わらない。




