60話 女神の献身。
本日の2話目です。
60話 女神の献身。
「運命ってやつは、ほとほと理不尽で、どうしようもない輩だが……しかし、俺は、そんな運命を殺すための力を磨いてきた」
そこで、センは、星桜の目をじっと見つめて、
「お前は死なねぇ。お前の死だけは許さない。お前を見殺しにする世界は俺が滅ぼす」
星桜は、物心ついた時からずっと、その叡智をフルに活用して、世界が核戦争で包まれないように暗躍してきた。
彼女が行動しなければ、世界は、何度か、人類消滅級の核戦争や人為的パンデミックを引き起こしている。
現状、そのぐらい、世界は『危うい状態』に陥っている。
また、児童養護施設が抱えている課題を解決するためにも尽力してきた。
犯罪者から巻き上げた金の大量バラまき。
金さえあれば、大概の課題は解決する。
建て替えの資金、進学支援資金に、就労支援資金、学校行事、医療、食事……
何より、金があれば、職員数を確保できる。
現場で一番の問題になっているのは結局金。
人件費という問題を前にすれば、どんなきれいごとも不愉快な戯言にかわる。
というか、人件費という問題の前では、全てのきれいごとが、やりがい搾取という名の悪意に変わるのだ。
金、金、金だ。
その現実と向き合う気のない者が、問題解決という結果に届くことはありえない。
……戦争や福祉の問題だけではなく、『バグの処理』なども、彼女は一手に引きうけて、世界のために、幼少の頃からずっと駆けずり回っていた。
『やばい化け物が、頻繁に、世界の各地で湧いている』……という、やべぇ状況に気づけたのも、その対処ができたのも、彼女ぐらいだったから。
自力単騎で、簡易携帯ドラゴンの作成を成してしまったほどの別格にしか不可能な領域。
知性レベルという点では、トウシの方が上だが、総合力という次元の前では、さしものトウシも、彼女には敵わない。
……トウシは、彼女の献身をしっている。
彼女が『だいぶやばい』ということだけは、昔から知っていたが、トウシ自身が携帯ドラゴンを手に入れて以降、より、深く、彼女のヤバさを痛感した。
だから、彼女には頭が上がらない。
「……一個聞いていいすか? ……ボクの頭に撃ち込んだの、あれ、なんすか? あれ以降、体の痛みが引いているんすけど、もしかして――」
「あれはただのエネルギー弾だ。その後に使った神の慈悲で、お前の病は癒した。ゴンズを殺しかけたことは、本気でイラついたから。てか、なんで、ゴンズにあそこまでやった?」
「……ボク、あの爺さんのこと、本気で嫌いなんすよねぇ……けっこう使えるコマなのに、自分が強くなることと、ヨメさんのことしか考えていない変態。ボクがまだ幼くて、力が弱かった時、一度、恥を忍んで助けをもとめたことがあるのに、あのクソジジイ、無視しやがったんすよ。だから、いつか殺してやろうと思っていたんす」
「……そのことも、トウシから聞いている。その助け、直接お願いしたわけじゃなく、めちゃくちゃ難しい暗号で求めたんだろ。見せてもらったが、あんなもん、武力系の田中に解けるわけないと思うが」
「その気になれば解けたはずっすよ。あのジジイ、頭も、それなりにいいから」
昨日の、支援を求めたことに対し、
「投げ銭の形でも応援したい」という、
暖かい反応をいただきました。
一応、ブースの方では、「ブースト(金額を上乗せして応援)」という、好きな金額を上乗せできる機能がありますので、
500円固定で販売する自作コミカライズ版を、
600円や700円で買っていただくという、
投げ銭的な方法をとることは可能です。
もし、「追加で応援したい」と思っていただけたのであれば、
その時に、無理のない範囲で、助けていただければと思っております。
ただ、読んでいただけているだけで、
十分、助けになっておりますので、
本当に、無理だけはしないでください。
某教団の寄付みたいに、
「家庭が壊れるほどの額を払わせる」とか、
ああいうの、マジで嫌なので。
「お前、頑張っているから、もう100円払ってやるよ、しかたねぇなぁ」
みたいな感じのご支援をいただけたら、すごく嬉しい……
といった感じですので。
本当に、無理しないでください。
「押すなよ」ではなく、マジの方です<m(__)m>




