53話 お気に入りの女性社員だけを優遇するスケベ社長。
今日は遅くなる可能性があるので、
朝に2話投稿します。
本日の1話目です。
53話 お気に入りの女性社員だけを優遇するスケベ社長。
「……ゴンズは俺の配下だ。つまり、俺の家族だ。……分かるか、バカ女。自分が何をしたのか……ちゃんと理解しているか……していないよな……していたら、こんなリスクがでかすぎるマネ、出来るわけがねぇ」
殺気を膨らましていくセン。
……センエースは、気付いている。
彼女が……『田中・イス・セラ』が、明らかに、シューリと同じフラグメントを持つこと。
俗に『酒神シリーズ』と呼ばれる、『プライマルヒロインズの因子』を有していること。
明確に、シューリに似ている彼女に、センは、初手で好感を抱いた。
彼女に対し、普通に、興味を抱いている。
だが、そんなことは関係ない。
たとえ、『タイプの女』だろうと、ラインを超えたら容赦はしない。
それがセンエースの流儀。
むしろ、『タイプの女』だからこそ、その辺のラインの見極めを厳格にいくのがセンエースの無駄に病的な高潔さ。
センは、『お気に入りの女性社員だけを優遇するスケベ社長』とかが死ぬほど嫌いなのだ。
だから、自分が、その手のゴミに落ちないよう、常に気をつけて生きている。
……シューリは、いつも、ギリギリをついてくるが、決して、ラインを超えることはなかった(初期のころは、まあ、色々あったが)。
シューリの『丁寧な性悪ぶり』と違い、
セラの雑なワガママは許容範囲外。
センのガチ殺気にあてられて、
さすがの自由人セラも、こめかみに薄く汗を浮かべた。
しかし、表情は変えずに、
「その爺さんは、ボクの首を締めようとしたんすよ? すごい殺気で近づいてきて、怖かったっすよ。へたしたら死んでいたかもしれないじゃないすか。正当防衛の何が問題なんすか?」
「お前の方が圧倒的に強いんだから、転ばすだけでも正当防衛としては十分だろうが。戦闘力評価で言えば、ゴンズが10なのに対し、お前は250ぐらいある。その差は、園児とプロボクサーぐらいの差だ。よちよち歩きのガキに殴られそうになったからといって、プロボクサーが、本気でクロスカウンターを入れるのは、普通にやりすぎ……というか、だいぶグロい重犯罪だろうが、このクソバカがぁ」
そう言いながら、センは、
セラの額をロックオンして、
「他人の痛みが、どうしても分からねぇってんなら、教えてやるよ……指銃ランク5000」
ズガンと、セラの額を撃ち抜くセン。
容赦のないオシオキ。
頭を撃ち抜かれて、普通に即死級のダメージを受けたセラ。
すぐに、センは、神の慈悲で、彼女の頭と意識を回復させて、
「頭砕かれたら、どんだけ痛いか、わかったか、バカが」
致命と再生を、コンマ数秒の間に経験したセラは、
軽く、冷や汗を浮かべつつも、
しかし、表情には、『プライドの笑み』を浮かべたまま、
「うーわ、やっば……」
撃ち抜かれた額を、右手で確認しつつ、
「ボクほどの美少女に手をあげるとか、それでも男っすか。美少女のお茶目は笑って許す……それが、『いい男』の最低条件っすよ。キレて暴行とか論外中の論外っす」




