52話 セフレとして、ギリギリ合格する神の王。
52話 セフレとして、ギリギリ合格する神の王。
「おまたせしたっすねぇ! 主役の登場っすよぉ!」
超絶美人ではあるのだが、どっから見てもキチ〇イだと確信できる変態性が止まらない女。
そんなセラの登場を前にして、この場にいる田中たちは、全員が顔を引きつらせて、
(((おどれは来るな、ぼけ! ややこしい! 帰れぇえええええ!!)))
と、心底からイラ立っていく。
特大のアホである彼女が、神に粗相をしでかすのは目に見えている。
もう、火をみるよりも明らか。
シュウメイやレイナなんか目じゃないぐらい、神をキレさせる可能性が高い。
だから、ゴンズは、
「セラ……帰ってくれ、頼むから。いや、ほんまに。マジで、ほんまに頼むわ! 後生やから、消えてくれ!」
と、セラが何かをやらかす前に、
とにかく、彼女をこの場から消そうと必死。
そんなゴンズを、セラは、完全にシカトして、
「あっ……そこにおる顔面偏差値2が、噂の『神の王』っすね? おぉ、なるほどぉ! 確かに、オーラがケタ違いっすねぇ! ほんまにヤバいやないっすか! おっけぇ! ギリギリ合格! センセーを、ボクのセフレとして認めてあげるっす。よかったっすねぇ」
などと、エグいぐらいハシャいコトをぬかすバカを見て、
周囲にいる『彼女よりはまともな田中たち』は、真っ青な顔になる。
正式に神の配下となったゴンズは、セラに対して正式にキレて、
「このバカもんが……っ」
このまま自由にしゃべらせていたら、本格的にまずいことになると思ったため、
物理でセラを黙らせようと、彼女を締め落とすべく、彼女の襟元につかみかかった。
第一アルファの武道家の中で、間違いなく世界最高クラスの実力者。
生ける伝説・達人ゴンズの、そのムーブに対し、
「ボクに触ろうやなんて、どこのだれか知らへんすけど、なんとも、ふてぇジジイっすねぇ。発情期っすか? きもいっすねぇ」
などと言いながら、
スルリと、回避して、
逆に、ゴンズの襟首をつかみ、
グンっと、腰を落とし、軸足を回転させ、
「うぉおおっ!」
グルンと、半回転で、ゴンズを頭から、床へと叩き落す。
ドガズンッ、と、やばい音がした。
ダラリと重たい血が流れる。
それを見たセンが、
「死ぬ、死ぬ、死ぬ!」
慌てて、『神の慈悲』で、ゴンズの頭を回復させる。
「お前、マジか?! 俺がいなかったら、ゴンズ、死んでたぞ」
「おお、すごいっすねぇ。首をへし折って、頭蓋骨を砕いたのに、それが秒で回復するとか、えぐいっすねぇ。さすが、神様。よっ」
「……お前……もしかして、俺の能力を、ゴンズの命で試したか?」
「いやいや、命で試すとか、そんな悪意ある言い方しないでほしいっすねぇ。ただ、ここには神様がいるし、多少、無茶をしても大丈夫かなぁ、と、そう思っただけのことっすよ」
「……ゴンズは俺の配下だ。つまり、俺の家族だ。……分かるか、バカ女。自分が何をしたのか……ちゃんと理解しているか……していないよな……していたら、こんなリスクがでかすぎるマネ、出来るわけがねぇ」
殺気を膨らましていくセン。




