51話 主役の登場!
51話 主役の登場!
「主よ、この愚かな老人めを、主が支配する組織の末端に加えていただきとう存じます。これまで、ずっと、妻のためだけに、命を磨いてきましたが、今日からは、主のためにも、この命を燃やしていきたいと考えております。ワイの本気の忠義……どうか、受け止めていただけまへんやろか」
「……いや、まあ、ゼノリカに入るのは、うん、まあ、いいよ、別に。お前は優秀だし。下地があるから、最低限のレベルアップをするだけで、暴力装置としても即戦力だろう。けど、俺に尽くす必要はない。弱い命のために尽くせ。輝く明日を求める方法だけ模索しろ。以上だ」
「ふ、ふふ……」
「なにわろてんねん」
「……なるほど、尊い」
「違うぞ、ゴンズさん。これは、幾何に見えるかもしれないが、実は関数の問題だ。誤った視点で問題を見失うなど、情報処理に長けたイス田中らしくないぞ。いいか、深呼吸しろ。視野を狭くするな。俯瞰の視点で俺を見ろ。『こいつ(センエース)』は、ただの武器だ。『そこそこ使える決戦兵器』でしかない。尊いとか、尊くないとか、そんな、『ちょっと何言っているかわからないモノサシ』は必要ない。わかるな? な?」
「この上なく尊き主よ……今日よりワイは、主を守る剣……愛する妻と、愛する主のためだけに、この命の全てを賭すと誓います」
「あ、やばい、ウザい! どうしよう! 助けて、トウシえもん! お前の親戚が狂ってきて、『ゼノリカのやばい連中』なみのウザさを発揮しはじめた! 昔の電化製品みたいに、殴ったら治るかな?!」
そんなセンの嘆きを受けて、トウシは、シレっと、
「ほんまは、全員、こうならなあかんのやけどなぁ……まだ、大半は、センにビビっとるだけ……もうちょい賢いと思っとったけど、ワシの親戚、アホばっかりやな……恥ずかしいわ。てか、腹立ってきた。賢いフリしとるだけのサルどもが」
「トウシきゅん?! ちょっと?! 何いってんの?!」
「まああええか。レイナとかホクトとか、『まだマシな連中』は、たいがい、ちゃんと、センに心酔したみたいやし……センエースの美しさすら理解できんバカ共は、もう、どうでもええ……そこまで頭悪いゴミは、どうせ使いもんにならん。適当なところで野垂れ死ねばええ」
「何言ってんの、トウシさん?!」
などと、
そんな風に、センが当惑していると、
そこで、
扉が、バーンっと開いて、
「おまたせしたっすねぇ! 主役の登場っすよぉ!」
アホが登場した。
超絶美人ではあるのだが、どっから見てもキチ〇イだと確信できる変態性が止まらない女。
田中・イス・星桜。
19歳、女子大生。
性格が悪いことでおなじみ田中家の中でも、性根の腐り方にかけては他の追随を許さない別格!
『一般人に対する蔑視力』において『破格のスペックを誇る彼女』にとって、一般人はすべてゴキブリ!
田中家全員に『親戚の中で誰が一番嫌いですか』とアンケートを取った時、ぶっちぎりで一位を取るマイナス界の天上人!
……そんな彼女の登場を前にして、
この場にいる田中たちは、全員が顔を引きつらせて、
(((おどれは来るな、ぼけ! ややこしい! 帰れぇえええええ!!)))
と、心底からイラ立っていく。
漫画版も大変ですが、
全ては、本編の面白さがあってこその話!
というわけで、超絶イカれた怒涛の展開スタート!
セラさんの登場で加速していく現状!
ちなみに、特典のクロッカ編も、超絶面白い仕上がりになってきていて、
センエースの可能性がとどまるところを知らない!
舞い散る閃光「レイスさんよぉ……顔、白いけど、息してる?」
白いうちはまだ足りない。
青くなってからが本番だ。




