25話 自由な田中たち。
25話 自由な田中たち。
「まずは、プライマルヒロインズの呪いに関してだが、現状判明している詳細に関しては、トウシがまとめてくれた資料を、すでに、頭に叩き込んでいるはずだから、説明のターンは省く。とにかく、どうすりゃ、『世界の運命に刻み込まれているあいつらの呪い』が解けそうか、アドバイスくれ。全員が一斉に喋り出してもアレだから、案のあるヤツが挙手する形で進めていこう。というわけで、どうぞ」
その進行により、
何名かが手をあげた。
「じゃあ、そこの田中さん。よろしく」
と『指をそろえた手のひら』を向けて指名。
人差し指をさすのは失礼という、一般的なマナー。
センに指名されたのは、
55歳、初老女性。
名前は、田中・イス・羽波。
職業、医療関係の研究者(不老不死をテーマに、学生の頃からずっと、寿命を延ばす方法を模索している)
最年少プロ棋士で現名人『田中・イス・吾雲』の母。
非常に温厚な女性だが、夫の悪口を言われた時だけ、烈火のごとくキレ散らかすという、厄介な性質を持つ。
大声を出したり暴れたりとか、そういうキレ方ではなく、静かにサイコに、相手を地獄に落とすキレ方をするのが特徴。
一度、夫をいじってきたパワハラ上司を、完全犯罪でハメて、キッチリ2年の懲役をくらわしたことがあるほどの異常者。
夫に対する執着は異常だが、息子には一ミリも興味がなく、息子が名人位を獲得した時も、電話報告を受けた際『そういうどうでもええ報告はせんでええから』の一言でガチャ切りする始末。
興味のある分野とパートナー以外はどうでもいい、という、典型的な田中。
「申し訳ありませんが、異世界関係のアレコレに関して、私では力になれないと思います。ただ、不老不死の秘密を、第一アルファ視点で解き明かすことにより、あなたが探している答えのヒントを得られるかもしれません。というわけで、一度、あなたの体を解剖させていただけませんか?」
彼女の発言に対し、息子の吾雲が、
「……いや、それ……母さんが、神様の体を解剖して調べたいだけやろ。絶対に、ヒントがどうとか、関係な――」
「黙りな。道楽バカ息子」
「……一応、ワイ、名人なんやけど」
「世間のチンパンジー相手にテーブルゲームで無双して遊んどるヒマがあったら、私の研究を手伝えや、あほんだら。非生産的な遊びばっかりする道楽バカボンが」
「……ワイの人生における『一番の誇り』は、『名人になったこと』やなくて、『あんたのもとで、グレずにまっすぐ育ったこと』なんやけど、それに関して、どう思う?」
などと、勝手なおしゃべりを始める二人。
そこで、
他の田中が、挙手もせずに、
「俺も、今のままでは力にはなれない。というわけで、携帯ドラゴンとやらを、俺にくれないか? そうすれば、何か、あんたにとって有益なヒントらしきものが見つかるかもしれない。というわけで、さあ……くれ」
勝手な事を言い出したのは、
田中・イス・秀明。
35歳、中年男性。
職業、IT長者。
シグレの父の兄であり、ウラスケのまたいとこ。
『独特の訛りを使わないと落ち着かないのが田中の血を継ぐ者の特徴の一つ』だが、彼の場合は、その傾向が薄い。
これは、彼だけの特質ではなく、他にも、何名か、関西弁を使わなくても平気という者はいる。
この特徴を持つ者は、田中家特有の精神疾患が激しい場合が多い。
※ 絶対にそうではない。
田中家の者は、パートナーを見つけると、本来の精神的異常性が、ちょっとだけ収まる傾向にあるが、秀明の場合、現状、パートナーがいないこともあり、精神がだいぶ尖っている。
イス田中どうしの近親(兄妹の間で生まれた双子)であるという、非常に珍しい点も、彼の特徴の一つ(田中の血を後世にうまく残せるか否かは、世界規模の大問題であるため、彼が近親相姦で生まれた時、世界の裏側では、かるいパニックが起こった)。
ちなみに、両親は、色々あって、秀明(と弟)が産まれてまもなく心中自殺している。
弟(シグレの父)とともに、国が用意した最高位設備の施設で徹底的な英才教育を受けて育ち、中学一年の段階で、年収数千万をたたき出して自立を開始。
弟(シグレの父)は、幼い時から、愛情に飢えていて、パートナーを渇望していたが、秀明は、そういった欲望が一切なかった。
二十歳になる前に結婚した弟とは正反対で、おそらく、彼は一生独身。
必要だから金を稼いだだけで、興味のある分野とかは特になく、パートナーもいない、弟夫婦が亡くなったという話を聞いた時も、マジで特に何も思わなかったという、田中の中でもだいぶサイコに尖った方の田中。
まだ、「こうしたい」という段階ですが、
私が描く予定の「コミカライズ版の続き」に、
「百物語の小説を、特典としてつける」という形にしたいなぁ、
と考えております。
具体的に言うと、
【『最初の村周辺でレベル99にしてみた』をマジの人生でやってみた】
の11話の続きを特典にしようかなぁ、と思っております(*´▽`*)
いわゆるセンの「3周目の人生」ですね(*´ω`*)
『人類すべてを敵に回して、クロッカと舞い踊る3週目』
かなり昔の話なので、多分、その辺のエピソードを忘れてしまった方もいると思います。
よろしければ、
【『最初の村周辺でレベル99にしてみた』をマジの人生でやってみた】
の11話までを読み直していただければ、と思っております!
ちなみに『百転生物語(3週目)』は、本編にも負けず劣らずのハンパない面白さです。
悪役令嬢クロッカの『葛藤』や『肉親・十七眷属との闘い』を支えるセン。
教師生活では、『エリート志向のクソガキども』に舐められバカにされながらも、
その圧倒的実力でハンマーセッションを決め込み、
その裏では、魔人たちにも指導をほどこし、
人間社会を脅かす『強力な魔王軍』を作り上げていきます。
自作コミカライズ版では、常に、
「私の漫画」+「百物語」というパッケージで販売していきたいと思っております。
予定としては、来年1月からずっと、「毎月、第一週目の土曜日に新作を出していく(それを、私が死ぬまで永遠に)」という形にしようかと。
元々は、200円ぐらいで販売しようかと考えておりましたが、作業量や手数料や税金を考えると、その値段では、「要所をプロにお願いする」どころか、「続けること」すら難しいので、本当に申しわけない話ですが、「500円」にさせていただこうと考えております。
販売する前から、いきなり値上げしてしまったこと、本当に謝罪します<m(__)m>
毎月購入していただくと考えた場合、年間で6000円の出費となります。
大きなお金です。
とんでもない額だと自覚しております。
それに見合ったものを提供するべく、現状、これまで以上に、死に物狂いで作業を進めております!
まだ、現状では「そういう風にやっていきたい」と考えている段階でしかないので、詳細は何も言えませんが、「そういう感じで思案している」という事だけ、ご理解いただければなぁ、
と思っております(*´▽`*)




