23話 田中家、大集合。
23話 田中家、大集合。
「私は、田中・イス・霊呂と申します。全ての神の頂点たる尊き方にお会いできたこと。一族を代表し、心から――」
「挨拶、いらない。礼儀もいらない。俺は、あんたらの知恵を借りたいだけだから」
そう言いながら、センは、上座の席に座り、
「とりあえず、あんたらに頭を使ってほしいのは2点。プライマルヒロインズにかけられている呪いを解く方法。それと、原初の世界に戻る方法。……これだけの数の『田中(全世界最強の天才)』が集まっているんだ。流石に、答えに届くと信じているぜ」
永久閃光神化に届いたが、
しかし、そんなセンでも、
プライマルヒロインズの呪いを解くことはできなかった。
そして、センは、蝉原&ヌルから、きっちりと『全て』を取り戻したのだが、
しかし、なぜか、『原初の世界』にだけは干渉できなくなっていた。
『さて、どうしよう』と悩んだセンは、
『そうだ。自由に異世界へ転移できるようになったことだし、第一アルファにいって、田中家の知恵を借りよう。全員集めて、会議させれば、すごい答えに辿り着くかも』
という結論に至り、今の状況になった。
トウシに連絡をいれて『全員、集めて』とお願いしたところ、
トウシからは、
『うちの親戚は全員、頭の出来はともかく、人間性の方が終わっとるやつばっかりやから、全員は集まらんと思うで』
と、経験則に基づく予想を提示された。
ただ、想定外に、『セラ以外の全員』が、キッチリと、約束した時間に一分足りとも遅刻することなく集まった。
『セラ姉以外全員集合とか、これは驚異的なことやで』
と、トウシは驚いていたが、
田中家の内情に詳しいわけではないセンは、
『あ、そう。基本はクソ一族なんだね。終わっているね』
としか思わなかった。
「俺は、これまで、色々な世界を渡ってきて、『とんでもない頭脳を持つバケモノ』を山ほど見てきたが、ここに集合している『狂った天才一族』より賢い奴らは一人もいなかった。あんたらで無理だったら、他のやつでは不可能。不可能を可能にできるあんたらだけが頼りだ。というわけで、ガチで頼むぜ」
ここに集まった天才たちは、みな、
ものすごい自己中で、『恋人以外の他人』は基本『虫』だと思っている、
普通にサイコなやべぇ連中。
そんな彼・彼女らが、どうして、今日、
トウシの呼びかけに応じたかというと、
『センエース』という神に興味があったから。
彼・彼女らは、みな、トウシから、センエースに関する記憶を頭に注がれている。
『世界中の全人類にコスモゾーンの映像記録を注ぎ込む』というのは、非常に骨の折れる作業だが、『数十名ぐらいに、自分の記憶データの一部を注ぎ込むぐらい』は、そこまで難しくない。
トウシは、自分の奥に刻まれている『センエースと並走した200兆の記録』……その『ダイジェスト(だいぶ短め)』を、親戚全員の頭の中にぶち込んだ。
その上で、
『命の王が、あんたらの頭脳を借りたいと言っとる』
とメッセージを送った。




