18話 神帝陛下推進委員会。
18話目ぇええ!!!
18話 神帝陛下推進委員会。
民衆の想いが膨らむにつれて、信仰ポイントが増加して、センエースという神の質量が、どんどん膨らんでいく。ただでさえ、えげつない力を持っているというのに、民衆からの絶大な信仰を受けて、センは、より強く、より大きく、より深くなっていく。
『リラ・リラ・ゼノリカ』
日に日に、その声は大きくなっていく。
センエースを知れば知るほど、想いが加速していく。
感情が、思想が、全てが、
センエース中心になっていく。
時間の経過とともに、『センエースに対して冷めた視点を有している一般人』の中から、徐々に、センエースに傾倒し始める者が現れる。
『絶対に意見を変えない頑固者』もいるが、『環境に揺らいでしまう者』も少なく無い。
一度、センエースを愛してしまった者は、もう抜け出せない。
聖典教が、そこらの『安い嘘つきカルト』なら、どこかで、夢から覚めてしまう者もいるかもしれないが、聖典教は真実しか語らない。
ゆえに、途中で抜ける者は少ない。
一度でも沼った者は、その後、永遠に沈み続ける。
沈む者、墜ちる者だけが、どんどん増え続ける。
そうして、溶けた者は、センエースのことばかり考えるようになる。
『どうすれば、よりセンエースを知ることができるだろうか』
『どうすれば、よりセンエースに愛を捧げられるだろうか』
『どうすれば、センエースに会えるだろうか』
『どうすれば……』
『どうすれば――』
『命の中心』にセンエースが居座る。
頭から離れないヒット曲のように、民衆の頭の中にセンエースがこびりついている。
引き剥がそうとしても無意味。
どう足掻いても消えてくれない、センエースへの想い。
これだけ、民衆の中にセンエースが刻まれたというのに、
ゼノリカの上層部は、まったくもって満足していない。
『こんなものでは話にならん』、
『まだ、主を愛していないアホウがいる』
『そいつらの頭の悪さにはヘドが出る』
『全員がもれなく主を愛さなければいけない』
『最低でも自分たちと同じぐらいの想いを、生きとし生けるものすべてが心に刻み込んで、初めてスタート前の準備運動である』
と、構成員に檄を飛ばしていく。
――蝉原厄介編の直後に発足された、
『神帝陛下推進委員会』は、
ゼノリカの天上のほぼ全員が所属している、最高位の権力をもった、ゼノリカの中でも最強格の組織。
規模・総戦力数、共に、あの最強遊撃隊『PSR部隊』を超えている。
……まあ、PSR部隊も所属している委員会なので当然なのだが。
『世界に、より深く、より正確に、この上なく尊き神を浸透させる』ためなら、予算も時間も無限に使うことが正式に許可されている、何とも贅沢な機関。
『神推会』は、一切の躊躇なく、センエースの輝きを世界に説いていく。
センエースがいかに美しい神であるか、
それを、とにかく全力で広めようと必死。
必死というか、もう決死。
覚悟と面構えが違った。
『まだだ、まだ足りない。主の輝きを、民衆は、まだ爪の垢ほども理解できていない。もっと、もっと、もっと、正しく理解させなければ!』
まだまだ足りない。
もっと、もっと、もっと。




