17話 リラ・リラ・ゼノリカ……
17話目ぇええ!!!
17話 リラ・リラ・ゼノリカ……
問題解決に対して、金銭を要求してくる宗教にハマることが一番の問題。
『心が軽くなる』というメリットにだけ焦点をあてるのなら、宗教はメンタルコントロールとして優秀だといえよう。
目に見えるデメリットがクソすぎるので、宗教が、『最低最悪の詐欺』という認識を受けることもあるが、メリットだけに着目した場合、その効果はなかなかのもの。
ちなみに、センエースは『金銭をむしり取って信者を不幸にするタイプの宗教』がゲロで溺れそうになるほど嫌いなので、はるか昔から、神法経由で、その手の宗教の絶対禁止を命じている。
※ それでも、金銭目的のクソ宗教を運営するバカはいて、そういうカスどもは、ことごとく、百済に粛清されてきた。
ゆえに、聖典教では、そういった金銭の搾取は絶対に行われない。
根本的な話、基本的に聖典教の運営は、ゼノリカが行なっている。
ゼノリカから各支部に、活動資金が支給され、不正な運用がなされていた場合、百済から、えげつない制裁を受ける。
神法違反なので、問答無用で八つ裂き。
神法違反は、ハンパじゃない罪で、罰がえげつないので、なかなか、その大罪を犯すバカはいないが、ごくごくたまに、薄汚れてしまうバカもいる。
人の弱さや醜さに限度はない。
――もちろん、ゼノリカにも、寄付やお布施のようなシステムは存在する。
ただし、寄付者・支援者の経済状況を鑑みることが必須であり、『問題がない範囲以上の金銭』を受け取ることは許されていない。
もし、相手の経済状況を考慮せずに金銭を受け取った場合は、厳しい処罰を受ける。
そのため、匿名の寄付は、基本的に禁止されている。
もし、匿名の寄付があった場合は、百済が調査することになっている。
……『人』が『宗教にハマる基本的な理由』は、承認欲求と愛情欲求の二つ。
センエースという神は、その二つを完璧に満たしてくれる理想の教祖。
『あなた』に『生きてほしい』と真正面から、命懸けで訴えかけてくれる神。
『あなた』を『愛している』と、心身ともにズタボロになりながら叫び続けてくれた王。
ゆえに、ハマる。
そこらのハンパなカルトでは太刀打ちできない『熱心極まりない狂信者』を産む。
信者は『義務付けられる前』に、自ら、毎朝、感謝の閃拳突き百回をこなし、腹の底から讃美歌を歌うようになった。
正式な信者以外の中でも、センエースに関わる情報を全て理解しておきたいと願うものたちが爆増し、聖典の需要が爆発的に高まった。
聖典だけではなく、センエース関連の舞台や映画や書物などが一気に増えた。
センエースへの愛が止まらない。
何かしていないと落ち着かないほどに、センエースへの想いがたかぶっている。
民衆の想いが膨らむにつれて、信仰ポイントが増加して、センエースという神の質量が、どんどん膨らんでいく。
ただでさえ、えげつない力を持っているというのに、民衆からの絶大な信仰を受けて、センは、より強く、より大きく、より深くなっていく。
『リラ・リラ・ゼノリカ』
日に日に、その声は大きくなっていく。




