表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真醒・究極超神D章 センエースよ、永遠に。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4137/6061

7話 50兆年を積んだ蝉原。

本日の1話目です。


 7話 50兆年を積んだ蝉原。


「……それは、つまり……あれか? 俺が、あまりに強くなりすぎた……と、そういう感じのあれかな? もしかして」


「ああ、そうだよ、セン君。君は、あまりにも強くなりすぎた。もう、俺では、君の敵役は務まらない」


「ふむ、どうやらその様だな。しかし、これじゃあ、ちっとも面白くない。死ぬほど将棋の勉強をしたのに、対局相手がチンパンジーだった、みたいな、激しい虚しさを覚える。戦いとは、ある程度、実力が近くないと面白くない。というわけで、蝉原。ソウルゲートを使え。お前なら、50兆年ぐらい鍛錬を積めば、最低限のサンドバッグにはなるだろう」


「ふ、ふふ そうだね 50兆年ぐらいやれば どうにかなるかもね」


「だろ? だから――」


「なんてね。無理だよ、セン君。たかが50兆年ポッチじゃ、今の君の敵にはなれない」


「そんなこと――」


「今の君はね 全財産をぶち込んだ投資で爆勝ちした、みたいな状態なんだよ」


「……」


「これまで、君は、『ほとんど無償の献身』という形で、全財産を惜しみなく投資してきた。その全部が、今、激しく高騰し、莫大な配当として、君の手元に転がり込んできた」


「……」


「君の強さは、もう、俺ごときがどうこうできる領域にない」


「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。というわけで、蝉原。ごちゃごちゃ言い訳してねぇで、さっさと、ソウルゲートで鍛錬してこい。お前なら、世界をバグらせて、ソウルゲートを召喚するぐらい余裕だろ? 知らんけど」


「ふふふ」


 蝉原は、おかしそうに笑ってから、


「こんなことは言うまでもないことだけどね。セン君。50兆年の修行なんて、君以外には無理なんだよ。ふ、ふふふ……50どころか、10だって――」


 と自嘲する蝉原に、

 センは、


「お前ならいける」


 冗談の要素を完全に排除した、まっすぐなメッセージをぶつける。

 ギャグじゃないと理解できてしまった蝉原は、


「……な、何を根拠に」


 と、普通の困惑を見せる蝉原に、

 センは、さらに真直ぐな目で、


「蝉原勇吾は俺が憧れた男だ。それほどの男に、不可能なんかない」


「……」


「と言うわけで、さあ、やってこい。完全体とやらになるがいい。情けないままのきさまを倒しても自慢にならんからな。今の『腐った豆腐みたいな脆さ』のままでは殺す気にすらならん。せめて『茹でたピーナッツ』ぐらいの歯応えになって帰ってこい」


 想いを受け止めた蝉原は、


「……」


 だからこそ、グっと、鈍く奥歯を噛み締めて、


「……っ」


 悲しげな笑顔で、センの目をじっと見つめる。

 純粋な『申し訳なさ』が、そこには瞬いていた。


「…………」


 センは理解する。

 蝉原は、完全に折れている。

 蝉原は、もう舞えない。


 蝉原は、しばらく黙ってから、


「……ごめんね、セン君」


 真剣に、そう呟くと、

 そこで、だからこそ、蝉原は、全身に全力の気合を入れる。

 今の自分にできる精一杯の『全身全霊の武』を構えて、


「この上なく尊き命の王、舞い散る閃光センエースよ。――ただの、情けない、君に焦がれた『武神の一柱』として、手合わせ願いたい」


 まっすぐな目で懇願されたセンは、もうなにも言えなかった。

 センは一度、軽く俯いて、目を閉じる。

 深呼吸をしてから、ゆっくりと顎をあげて、


「いいだろう」


 と、了承の返事を出してから、

 ゆらりと武を構えて、



「……いくぞ、蝉原。殺してやる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版深淵1話(37話)公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ