66話 訴訟。
66話 訴訟。
「俺はまだ、トゥルーにたどり着いたわけじゃない……ヌルの話が事実なら、蝉原が、裏でごちゃごちゃ動いているはず。……汚物は消毒しなきゃ(使命感)……」
などと思っていると、
そこで、ガチャリと、扉の開く音が響いた。
音のした方に目線を向けてみると、
そこには、『トウシ』が立っていて、
「よぉ、起きたな。どこもおかしないか? 気分悪いとかないか?」
と、声をかけてきた。
センは、激しく不快そうな表情をして、
「起き抜けに世界で一番キモいツラをみたせいで吐きそう。訴訟」
「問題なさそうやな」
センのジャブをスルーしたトウシは、
窓の外を見つめながら、
「第二アルファ……初めてきたけど、なかなかええとこやないか。少なくとも、第一アルファよりは遥かに上やな」
「おいカス野郎。我が愛しの『麗しき故郷』を、あんな『ヘドで溺れざるを得ないゲロ以下のクソ世界』と比べるんじゃねぇ。不愉快のあまり吐きそう。訴訟」
「お前の故郷は、ワシと同じで、『第一アルファ』やろがい」
「そんなわけあるか。あんなチン◯ス世界を、俺の故郷呼ばわりするとは、とんでもない名誉毀損だ。訴訟」
「なんか、訴訟が語尾みたいになっとんな」
と、あきれ混じりにそうつぶやくトウシに、
センは、
「……ところで、うちの配下連中は? ここにいる?」
「いや。今は、ゼノリカ総出でMP型センエースの対処に出とるから、ここにはおらん」
「なんて? え? えむぴー? え? なに、それ。当たり前みたいに言っているが、それを知らない俺の方が異端な感じ?」
「MP型センエース。存在値5000兆クラスの力をもったセンエースコピーが全部で1000体、第二アルファの各地で台風みたいに猛威をふるっとるから、ゼノリカの面々は、その対処にでとる」
「なるほど、よくわからんが、とにかく、『終わった連中』が『元気にラリってる』ってことだな。はしゃぎやがって、クソッタレが。……てか、そのウルトラエマージェンシーで、なんで、決戦兵器の俺がすやすや寝てんだよ。叩き起こして討伐に向かわせんかい。その役目を失ったら、俺がここにいる意味がなくなるだろうが。このセンエースという、他に何も持たない可哀そうな童貞から、たった一つの居場所を奪うとか正気か。訴訟」
そう言いながら、オーラと魔力を練り上げ、戦闘モードに移行して、ふざけたカスどもを駆逐しに行こうとした、
が、しかし、
「ん? なんだ? 力が入らんぞ。なんだ、これ」
困惑しているセンに、
トウシが、
「200兆年も、休みなく鍛錬をし続けて、心身共にボロボロの状態やったから、今は、完全安静状態にして、回復させとるところや。200兆年分の疲労は、流石に、神の慈悲を使っても、秒で回復することはないからな。アリア・ギアスで色々限定条件をのせまくった『神の慈悲・トウシカスタム』を使わせてもろた。と言うわけで、あと数時間は魔力もオーラも使えへんで」
「このクソ緊急事態に、なんで、そんなことしてんだ。バカなのか、お前は。どういうつもりだ」
「お前に回復魔法を使った直後に、ワラワラと、クソどもが湧いて出たんや。緊急事態の最中に魔法を使ったわけやない」
というわけで、
本格的なクライマックスのはじまりです(*^-^*)
最後の最後まで、お付き合い、いただけましたら、
幸いです!!




