52話 『死にたいと言い続けるだけで、実際には死なないハンパなメンヘラ』と長年つきあった玄人彼氏。
52話 『死にたいと言い続けるだけで、実際には死なないハンパなメンヘラ』と長年つきあった玄人彼氏。
「正直、もう、どんな敵が出てきても、余裕やろうけど、そんな、ぬるい事実はいったん、横に置いておいて、お前という狂気が、どんな最果てまで行けるんか、それを、どうか、魅せてくれ」
「お前の頼みを聞いてやる義理が、俺には一ミリもない。だから、お前の望みを聞いてやる気は一切ない」
そこで、センは、天を仰いで、
「だから、これは、お前の頼みを聞いての行動ではない、と最初にハッキリと断言しておく」
と、持ち前の面倒くささを暴走させて、
「とことん最強を目指すのは、そもそもの目標。残り50兆年……これまで以上の狂気を積んで、俺を完成させてやる」
★
160兆年が経過した。
センエースは、また、激烈な鬱状態に落ちていた。
ちょっと前のループの時は、
『200兆じゃ足りねぇ! 1000兆だ! どうにかして、1000兆年できるように段取りを組みやがれ! リソースがない?! 知らん!! これは命令だ! この俺様の命令だ! 俺の命令には、ハイかイエス以外の答えを持ち出すな、バカモンがぁ!』
と、世界相手に、豪快なパワハラを極め込んでいたセン。
しかし、今は、
「うぁあああああああああああああん!!」
と、ガチの鬼ギャン泣きに勤しんでいた。
ギャグで泣いているフリ とかではない。
本気100%のガチンコ慟哭。
もう、本当に、心底からの『勘弁してくれ』という魂の叫びが、その涙には刻み込まれている。
「もう無理だぁああ! 本当にもう無理! 頭、爆発する! 誰か助けて!」
そんな、悲痛な叫びに対して、
大親友の田中きゅんは、
「はいはい(笑)」
と、鼻で笑っていた、
これまでの160兆年の全記録を見ている田中は、
センが、これまでに、何億回、何兆回と、この鬱モードに陥ってきた、ということを知っていた。
ゆえに、田中の結論は、
『はいはい、またか。わかった、わかった』
という、とんでもなく雑な対応になる。
これまで散々、ありとあらゆる手法で、センのことを、なだめすかしてきたが、しかし、『そんなことをする必要はなかった』と言うことに、田中はもう気づいている。
センエースは折れない。
この先、170兆を越えようが、180兆年を越えようが、もっと言えば、200兆を越えようと、1000兆を超えようと、センが折れることはないだろう。
ソレが、完全に理解できたから、田中のセンへの対応は雑になる。
『死にたいと言い続けるだけで、実際には死なないハンパなメンヘラ』と長年つきあった玄人彼氏のように、田中はセンの言葉を受け流していく。
「何ヘラヘラしてんだ! 助けろっつってんだろ! こんなに弱った状態の俺を鼻で笑うとか、お前、情緒どうなってんだ!」
「ワシの視点では、お前のほうこそ、情緒どうなっとんねんと強く想うけどなぁ。お前、ほんま、おかしい」
と、呆れながら、半笑いでそう言う田中。
今の発言は、安い煽りなどではなく、心の底からの本音。
ずいぶん長い間、センさんのループ旅が続いておりましたが、
それも、あと、一週間ほどで終わります(*´▽`*)
そして、立ち向かう。
真の最終回へと(*´ω`*)
完璧なるフィナーレ、
ファイナルメッセージ、
「完全最終話 永久に輝く閃光の物語」まで、
あと、77話!!!




