46話 天上無休。
5年連続毎日2話投稿記念、
コミカライズ版センエース、
「まんが王国」「コミックシーモア」「eBook japan」で配信されている記念、
1日10話投稿!
9話目!
46話 天上無休。
同等ランクの最高位プラチナレッドスペシャル『人間失格』を併せ持つセンさんは、
いわゆる一つの『とにかく性格が悪いワーカーホリック』という、
残念を通り越して悲惨な激ヤバキチ〇イマエストロへとキャリアアップ。
会社側の視点では、なかなかエグい爆弾とも言える。
「もっとだ……もっと経験値をよこせ……」
無休上等だが、無給は許さないという『タングステンの意志』を世界に魅せつけていくセンエース。
「こんだけ頑張っているんだ。こんだけ貢献してやっているんだぞ。今のままじゃ……足りねぇだろうがぁ!」
労働基準法を盾に、企業を追い詰めていく厄介社畜。
「もっとだ! もっと経験値をよこせぇ! まだ、出せんだろぉ! ジャンプしやがれ! ポケット、ジャラジャラ鳴ってんぞぉ!」
ついには、ただのカツアゲになっていく。
何度でも思うが、これの、どこが、病的な高潔だというのか。
さっきまでセンに喝采を送っていた世界が、
今は、引きつった顔でドン引いている。
「もっとぉ! もっとだぁ! まだ足りん! もっとよこせバルバ◯ス! 骨の髄までしゃぶり尽くす! いや、勝負の後には骨も残さない! 倍プッシュだ! もうスッからかんだと?! だったら、指でも眼球でも臓器でも妻でも娘でも孫娘でも、なんでもいいから、とにかく売っ払って、なんとしてでも、俺への賄賂を作ってこい! それが貴様の贖罪だ! なんの贖罪かは知らんけどなぁ! ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
勧善懲悪モノで『主人公に全力で吹っ飛ばされる極悪ブタ野郎』みたいな顔で笑うセン。
人間失格と天上無休のダブルプラチナレッド地獄。
もはや、誰も、この悪魔を止められない。
「おどれは、事実、全人類の王なんやから、どんだけ頭おかしなっても、みっともないことはほざくな。どんな時でも凛としとけ、あほんだら」
そう言いながら、センの顎に爆裂なアッパーを叩き込む田中。
「ぷげっはぁあああああぁっ!!」
誰も止められないかと思ったが、案外、そうでもなかった。
豪快に吐血して吹っ飛ぶセン。
よろめきながら、
「や、やるじゃない、田中ちゃん。いまの不意打ちはなかなかだったぞ。おかげで歯が……ちょ、ちょっと頭にきちゃったかな」
「天上無休は、本来の効果のおまけとして、最大HPや回復力やスタミナなんかのバイタリティ系全般に強力な補正がかかるスペシャルやから、その程度のダメージ、屁でもないやろ」
「なんで、所有者の俺が知らないことを、さも当然のように、お前が知ってんだ」
「今、コスモゾーンにハックして調べた。ちなみに、人間失格のおまけは、ご存知の通り『完全致死量のダメージを受けても、しばらく気付かないフリをする』と言う、世界最高級にふざけきったスペシャル。この二つの裏スペシャルは、本来の効果でも、おまけの効果でも非常に強力なシナジーがある。センエースを殺すことの難しさが、どんどん上がっていっとる感じやな。まあ、その分、お前を殺すことによる獲得経験値も膨れ上がる。また、お前が、『お前を殺すことで得られる経験値』への補正上昇を上に嘆願したことで、さらに経験値量が上昇した。これからさらに、成長効率が爆上がりするやろう」




