表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】センエース~舞い散る閃光の無限神生~  作者: 閃幽零×祝百万部@センエースの漫画版をBOOTHで販売中
真醒・究極超神C章 『セン』VS『トウシ』――気炎万丈編。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4055/6058

40話 俺は君の隣を望まない。

5年連続毎日2話投稿記念、

コミカライズ版センエース、

「まんが王国」「コミックシーモア」「eBook japan」で配信されている記念、

1日10話投稿!

3話目!


 40話 俺は君の隣を望まない。


 ――蝉原が、ここで修行を開始してから、9000億年が経過した。

 現状、蝉原の意識は、遠いところに行っていた。

 壊れたフリすらできない領域で、絶望感だけに支配されている。

 強制的に、ひたすらに積まされた時間の中で、蝉原は大きくなっていた。


 自分でも気づかないうちに、武のパッケージが底上げされていく。

 本人的には、ずっとしんどくて辛くて苦しいというだけだが、元々の天才性も合わさって、どんどん強くなっている。

 強制ソウルゲートなので、成長率には激烈なナーフがかかっているわけだが、しかし、それでもセンエース以上の成長率を見せる蝉原。

 やはり天才は格が違った。

 成長率で言えば、蝉原は確実にセンエースを超えている。


 蝉原は頑張った。

 灰化無効が働いていないと、とっくの昔に灰になっていた、というのは事実だが、しかし、『頑張って食らいつこうとしていた』のは事実。

 蝉原は頑張った。

 蝉原が、ここまで頑張れたのは、

 『同じ時間を積めばセン以上になれる』という事実が、

 蝉原の根底を支え続けたから。


 センエースという概念を正しく知って以降、

 蝉原の行動理由は、

 基本的に、すべて、センエースである。


 センエースならどう考えるだろう。

 センエースならどうするだろう。

 センエースに対抗するにはどうしよう。

 センエースを殺せるとしたら、その方法はなんだろう。


 ――『センエースという概念を正しく知って以降』は、

 ずっと、ずっと、ずっと、

 センエースのことばかり考えている。


「……センくん……」


 完全に朦朧しているという矛盾の中で、

 蝉原は、むき出しの涙を流しながら、


「君は……美しいなぁ……」


 特に意味のない言葉を口にする。

 ただの感嘆符。

 なぜ、今、センエースに対して、そんなことを想い、そんな言葉を口にしたのか、蝉原自身、まったく理解していない。

 ただの生理的反射で、勝手に口をついて出た。

 自分が、そんなことを口走った、ということに、

 実のところ、蝉原は、気付いてすらいない。

 蝉原は――


「……ああ……歪んでいく……ダメだな……こんなんじゃ……ダメだ……こんなんじゃ……君の……ラスボスには……なれない……」


 ポタポタと、冷たい血が地に触れて、さまようように酸化して、静かにかたくなる。

 そうやって、積み重ねてきた罪の断層。

 ぶっ壊れて、歪んで、腐って、

 そうやって、一つ一つ、積み重ねてきた罰の華。


「……俺は……君の隣を……望まない……」


 生気のない目で、焦点のあっていない虚空とワルツを。


「俺が望むのは……君の敵……君の目標……」


 最初から明確だった意志が、なぜか、ここにきて、ウスバカゲロウの羽みたいに、半透明の儚さを併せ持つようになってきた。

 退屈なリズムのロンドが、不死身のロックンロールになったりして。


「君に追いかけられている時……君をへし折った時……その時だけ……俺は、真に幸福だった……」


 『真の幸福』を得られる者は少ない。

 命はワガママで偏執狂だから。

 『本物』は、なかなか見つからない。


 ――蝉原は出会えた。


「ああ、そうだ……そうさ……それだけのこと……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自作コミカライズ版36話公開中!ここから飛べます。 『センエース日本編』 また「センエースwiki」というサイトが公開されております。 そのサイトを使えば、分からない単語や概念があれば、すぐに調べられると思います。 「~ってなんだっけ?」と思った時は、ぜひ、ご利用ください(*´▽`*) センエースの熱心な読者様である燕さんが描いてくれた漫画『ゼノ・セレナーデ』はこっちから
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ