13話 激烈に膨れ上がっていく。
お詫びの3話目です<m(__)m>
13話 激烈に膨れ上がっていく。
ミシャとアダムと違い、シューリのセンに対する殺意は研ぎ澄まされており、鮮度と湿度と強度が違った。とにかく重たい殺意が迸っている。
この件に関しては、彼女の中にある『センに対するマジの不満』が爆発している影響。
シューリは、ずっと、センエースのプロポーズを待っていた。
サンデー系のラブコメよろしく、ずっと、つかず離れずを繰り返しながら、ずっと、ずっと、ずっと、辛抱強く、センの求婚を待ち続けた。
これまでずっと、ギャグっぽく処理されてきたので、シューリの内心が如何様なのか、ご理解いただけていないだろうから、ここで、彼女の情動を正式に書いておく。
――結論、シューリはガチでキレている。
顔面いっぱいに怒りマークを浮かべて『マジでええ加減にせぇよ、くそがぁ』と、バチギレしているところを想像してほしい。
そのざっと数百倍ぐらいの怒りを、彼女は抱えて生きてきた。
それが、いま、躊躇なく暴走している。
もちろん、今のセンが『蘇生できない状態』なら、たとえ、憎悪を増幅させられて状態だろうと、なんだろうと、シューリがセンを殺めることはない。
ただ、残機が3000ある現状、シューリは、センに『わからせるため』に、3038回ほど殺す気でいる。
アダムとミシャは、何も理解していないが、シューリだけは、もろもろを理解した上で、この場に立っている。
その方が、うまくことが運ぶと田中は判断した。
田中の読み通り、憤怒と憎悪を原動力としたシューリは、ゴリゴリに磨かれていく。
彼女が強くなった分だけセンエースも強くなる。
★
――『12億回目(およそ120億年)』を超えた段階で、
平熱マンが、ついに、究極超神化の壁を越えて、究極超神化2へと至った。
それを皮切りに、他の配下たちも、ポツポツと、究極超神化2へと覚醒していく。
戦闘の『メイン(前線)』をシューリと田中が担当しているのと、彼らの体感的には実質10年程度しか頑張れていないので、『数値的な条件はとっくの昔に超えている』が、しかし、なかなか『キッカケ』を掴めず、最後の殻を破れずにいた。
が、しかし、これだけ時間をかければ、流石に届く。
――それからも、ひたすらに繰り返した結果、『35億回目(およそ350億年)』の段階で、グレイが究極超神化2へと到ったことで、見事、天上のメンツ全員が究極超神化2への覚醒を果たす。
どんどん、どんどん、膨らんで、圧倒的な戦力となっていく、ゼノリカの天上。
――ただ、3が遠かった。
なかなか覚醒しない。
繰り返して、繰り返して、繰り返して、
ついに『50億回(500億年)』を達成したが、それでも、まだ、誰も、3になれそうにない。
――その状況に対して、センは、
(あいつらの方が俺より絶対に天才なのに なかなか次のステージに進まねぇなぁ。どうなってんだ)
不満を口にする。
そんなセンに、田中が、
(あいつらは別に、追い詰められとらんからなぁ。ヒーヒーいうとるんは常にお前だけ。覚醒のトリガーになる『狂気の絶望』が足らんすぎる。お前が、あの中の2、3人は殺すぐらいの覚悟を示せば、もうちょいはやく覚醒すると思うけど、できそう?)




