12話 やっぱり天才のシューリさん。
本日は、レセで遅くなるので、朝に2話投稿する予定だったのですが、普通に忘れてしまっておりました。
遅れて、申しわけありません。
待ってくださっていた読者様、本当に、ごめんなさい。
お詫びに、今日は一日3話投稿します。
12話 やっぱり天才のシューリさん。
センは、普通に押されていく。が、殺し切られるほどではない。十年間の中で、センは全部で20回ほど死んだが、まあ、そのぐらい。どう足掻いても3000回死ぬことはない。
――そう思っていた時期がセンにもありました。
予想外だったのは、戦いの中でシューリが、えげつないほど成長していったということ。
彼女が天才であることは知っていた。
しかし、ここまでとは思っていなかった。
ループ回数百回目。
時間にして、ほんの1000年ほどで、
シューリは、戦闘力を爆上げさせてしまった。
もともと神闘の基礎は完璧だったというのが大きく、その強さは、ここまでの50億年以上を積んだ平熱マンを余裕で凌駕する次元まで届いた。
ギリギリ、田中には負けているが、このまま時間を積んでいけば、おそらく、そう遠くないタイミングで超えてしまうだろう。
そんな彼女の異常な強さを前にしたセンは、ため息混じりに、
(こいつが本気で鍛錬を積んでいたら、多分、普通にアポロギスを倒せていたな)
思わず、心の中でそんな言葉をもらすセン。
そんなセンに、田中が、脳内に語りかけてくる。
(シューリがアポロギスを殺すことだけを考えてソウルゲートで最低5万年以上を使い、その上で絶死のアリア・ギアスを積んで挑めば、七割ぐらいの確率で6に覚醒して、アポロギスを殺すことができたやろうな)
(絶死のアリア・ギアスは、別にいらんだろ。この『キ〇ガイ女の天才性』に、ちゃんと刮目しろ。――ほら、すごい。バカみたい。宇宙一の美しさが霞むほどの才覚。絶対に『素』でもアポロギスを倒せたぞ。絶対だ。俺は詳しいんだ)
(嫁を過大評価する気持ちはわからんでもないけど、シューリじゃあ、どう足掻いても命をかけない限り、アポロギスは超えられない。世界はそれを前提に構築されているから)
(俺に嫁はいねぇよ。いたら、ここまで長い間、童貞やってねぇ)
(ほんま、お前、いつまで童貞やってんねん)
(やりたくてやってんじゃねぇ)
(いや、もう、ここまできたら、お前は、『必死で童貞を守っとる』と断言できる)
田中と心の中で喋っている間にも、シューリは、センをボコボコにしている。
田中や他のメンツの手厚いサポートを受けたシューリは、普通にやばかった。
何より、センが、彼女に対してガチになれないというのが大きい。
取れる手段が限られる。
腕を吹っ飛ばしたり、頭を爆散させたり心臓を抜いたり、その手の手段を取れない。
苦しめるのも嫌だから、状態異常系を打ち込むのも厳しい。
カウンターを顔面や腹部に叩き込むのも精神的にNG。
結果、できるのは、受け流しと軽めの関節ぐらい。
あとは呪縛を使って動きを封じるか、『逆気系』の技で気絶を狙っていく感じ。
えげつない縛りプレイをさせられている。
ちなみに、ミシャとアダムと違い、シューリのセンに対する殺意は研ぎ澄まされており、鮮度と湿度と強度が違った。
とにかく重たい殺意が迸っている。
この件に関しては、彼女の中にある『センに対するマジの不満』が爆発している影響。




