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2話 戦争のルール

 2話 戦争のルール



「フーマー条約では、存在値25以下の者は参加できないとなっているが、それを少し強化して、存在値30以下の者の殺害・戦争行為を厳重に罰する」


 個が軍になれる世界で、ただの数は意味をなさない。

 存在値10のザコが、100人・1000人と束になっても、広域殲滅魔法を覚えている存在値60オーバーの魔法使いならば、そのザコ集団を皆殺しにするのにかかる時間・労力ともに、さほど変動はない(ゼロではないが)。




 ※ ちなみに、各国には、『存在値25以上であるか否かを判定するマジックアイテム』が、フーマーから配布されている。

 そのマジックアイテムによって、存在値25以上の者のデータは、判別されると同時に、フーマーの情報部に送られ、アーカイブに保存される。

 もし、そのマジックアイテムの太鼓判が押されていない者を戦争に参加させてしまうと、それを察知したフーマーから、すぐさま、

『ふーん、俺らとの約束、無視するんだー、へー、ふーん、オッケー。わかったー』

 と威圧をかけられることになる。




「参戦者の絶対数が極端に低下し、かつ、存在値30以上ともなれば、耐久力が高いから、そうそう死なないと」


「さっそく、国際法の底が出来たかな」


「数の暴力しか取りえがないトーンは騒ぐであろうな」


 『存在値10(出来る事の量も質もショボすぎる)』前後が100人集まっても役には立たないが、『存在値25~30(存在値が30近くあれば、一つか二つは『格上にも刺さる特技』を持っている)』が100人集まれば、サリエリを殺すくらいならできる。

 1000人集まれば、やりかたしだいで、勇者や魔王を殺すことも可能(勇者が無策で暴れまわるだけなら、という条件はつくが)。


 トーン共和国は、数の力で、軍を整えた。

 存在値25を超える者を10万単位で用意した人民軍はトーンの国家的主軸とも言える。

 だが、そのほとんどが存在値25~27であり、30を超えている者は、2000を切っている。


 存在値レベルは、ゴートのように、ポンポン上がらない。

 才能ある者が努力した結果こえられる壁が存在値25(イメージ的には国立大卒)。

 存在値30のボーダーブレイクは、ハンパじゃない才能と努力を必要とする世界となる(イメージ的にはハーバード卒。ちなみに、『存在値35~』が冒険者試験に受かる目安)。



「トーンの上層部など好きなだけ騒がせておけばいい。……それより、火事場泥棒的に沸くであろうテロリストの処理はどうする?」


「いつもどおり、『楽連』が動くか?」

「いや、ここは、『百済』を動かして、ゼノリカという闇の密度を上げておこう」


「黒い手で封殺するのじゃな」

「いっそ、丸ごと取り込んで、苛烈に調教してやればいい」

「私がやろう。根性を叩き直してくれる」




「それで? 最終解への道筋は?」


「セファイルとリーンをハッキリと組ませる」




「ふむ。ゼノリカの漸進派が飲み込んだセファイル魔王国サイドをリーンが導き、ラムドの暴走を抑えて、ハッピーエンドという訳じゃな」


「ちなみに、現状のラムドとリーンは? 緊急集会の直後、どうなった? 決裂したのか?」


「ラムドが空気を読み、率先して、つなぎ役を演じ、魔王国内の内部分裂を防いだようじゃ」

「意外、意外」


「UV1の報告によると、ラムドの説得で、リーンは、こたびの世界大戦に対する覚悟を決めたらしい」


「ほっほーう」

「ただの召喚バカではなかったか」


「上からの情報通り、生粋の召喚バカだが、頭はそこそこキレるらしい。ミッションの内容と自分のポジションをキチンと理解し、見事にたちまわっておるよ」


「リーンが王位をラムドに譲渡しようとしたらしいが、それも正式に断ったとか」


「本当に己の役目がきちんと理解できておる証拠じゃな」



「それならば、まわり道することなく、容易にハッピーエンドを捏造できそうじゃな」


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