52話 神殺しの経験値。
52話 神殺しの経験値。
「ボーナスタイムだ。今回獲得した経験値を割り振っていけ」
「……」
「どうした? 目が死んでいるぞ」
「この状況で、目がイキイキとしているやつ、怖くね?」
と、軽い言葉を返しつつ、
センは、今回獲得した経験値を確認していく。
「……今回、あいつらが会得した経験値は……5京2500兆……えぐ……こんな上がる?」
「神殺しを果たしたか否かは、やはり、かなり大きなポイントだな。もちろん、貴様が獲得したGODポイントも爆上がりしているぞ」
「……俺が獲得したGODポイントは……572兆……まあまあまあって感じかな……できれば、もっと、ドカンと上がってほしいところだけど……まあまあまあ」
などと、感想を述べつつ、
センは、経験値を振り分けていく。
ちなみに、今回から、十席連中も『GODポイント』を獲得しており、
そっちの方は『3900兆』ほど。
そのポイント振りも、センが担う形になる。
「経験値に関しては均等分配でいいが、GODポイントは、ビルドをしっかりと考えないといけないのだがダルいなぁ……慣れ親しんだ自分のGP割り振りでも、そこそこ時間かかるのに、他人の、それも25人分となると……さすがに……」
しんどそうに天を見上げるセン。
自分のビルドを仕上げていくのは、それなりに楽しい作業として受け入れられるのだが、25人分を、正確に導かなければいけない、となると、死ぬほど大変な作業でしかなく、かつ、責任感的なものも乗っかってくるゆえ、吐くほどダルいのである。
「まあ、これから、500億回ぐらいループする予定らしいから……あいつらのビルド構築は、ゆっくり、じっくりと、やっていくことにしよう。とりあえず、ステータスの底上げだけやっておいて――」
みたいなことを考えていると、
そこで、ハスターが、背後から近づいてきて、
「……センエース、契約の時間だ」
と、前置きもなく、そう言った。
「……」
センが視線をおくると、
ハスターは、たんたんと、
「どうやら、タイムリープは問題なく成功したようだな。今回は何回目だ? 私の存在値が、それなりに上がっているから、もしかすると、記念すべき100回だったりするか?」
「……2回目」
「……2? ……2ぃ?!」
驚きの声をあげながら、自分のオーラ量等を確かめていくハスター。
「たった2回で、ここまで上がったというのか? ……嘘だろ? いや、確実に嘘だ。お前は見栄を張っている。お前にはそういうところがある。反省しろ」
「もう、好きに思っていてくれ。訂正するのもダルい。今の俺に、そんな暇はない」
などと、心底ダルそうにそうつぶやきつつ、
センは、十席たちのステータスを、たんたんと上げていく。
「めんどくさいわぁ、この作業……てか、なんで、俺がやらんといかんのじゃい。こんなもん、自分でやるもんだろ。俺は過保護な親か? こんな、なんでもかんでもしてやってよぉ」
そこで、ヨグが、ボソっと、
「今回の件だけじゃなく、貴様は、ずっと、常時、過保護な親以外の何物でもないと思うが?」




