13話 パーフェクトコスモゾーンのアンサーに、彼はなる!
コミカライズ版センエース、
10話配信記念のイベント開催!
一日10話投稿の3話目!
13話 パーフェクトコスモゾーンのアンサーに、彼はなる!
「最悪だ。……回収する前に、残滓をパクられた。めちゃくちゃ綺麗にハイエナされちまった。『あの野郎(破壊衝動)』……ずっと狙ってやがったな」
そんなソルの発言に、
1002号は、怪訝な顔で、
「パクられた? それって、まさか、破壊衝動に?」
なんとなくの予想を口にする1002号。
そんな彼の発言を華麗にシカトして、
ソルはぶつぶつと、
「まずいな。ブレイクスルーをはたした上に、破壊衝動のバックアップがついた蝉原が今後どこまで成長するか、もうまったく予想がつかない」
そこで、ソルは『ヌル』に視線を送り、
「ヌル。ここからは限界以上の努力を積んでもらう。最強の経験値になったお前を回収して、理論上の究極に届いた完全体センエースじゃないと……最悪、蝉原に殺される」
「オリジナル・センエースの経験値になる気なんかない。全ての頂点に立つのは、この俺だ。この俺が、世界の全てをくらいつくす」
「もういい、その偽悪スタンス。ネタはもう割れてんだ。ちゃんと考えろ。セレナーデの呪いを完全に解くためには、『完璧なセンエース』が絶対に必要なんだ」
「後半はともかく、前半の部分は、ちょっと何言っているかわかんない。セレナーデの呪い? なんだ、それ。俺はそれがおいしいかどうかを聞けばいいのか?」
「鬱陶しいなぁ!」
と、そこで、
1002号が、
「よぉわからんけど、とりあえず、おどれらに命令。蝉原との殺し合いで力を貸してやったんやから、テラスを回収させろ。まずは、そこからや。こっちはそのために、1000億年も積んだんじゃい」
その命令に対して『センエース・ヌル』は、
数秒だけ間をおいてから、
「……ああ、わかった」
そう言いながら、ソルに視線を送る。
その視線の意図を完璧に理解したソルは、
一度頷いてから、指をパチンと鳴らして、
――1002号に、封印の魔法をかける。
「え、うわっ……何して――」
『最悪、何かかましてくるかも』ぐらいの予想はしていたので、
何の反応も出来なかったというわけではないのだが、
しかし、ソルの魔法があまりに強固かつ迅速すぎて、
普通に封印の魔法をぶちあてられてしまう1002号。
現在の1002号は、1京クラスの実力者なのだが、
しかし、その程度、『ゼンゴート・ソルDP』からすれば、たいしたものではない。
「ぐぬぅうう!」
必死に抵抗したことで、どうにか、ギリギリのところで、
意識の封印だけはまぬがれた1002号が、
「てめぇ、ゴラァ! どういうつもりじゃ、ぼけぇ! 蝉原を殺すのに、あれだけ
尽力してやった俺を、こんな目にあわせるとか、てめぇらの血は何色だぁ!」
と、喚き散らしている1002号に、
ソルは、淡々と、
「テラスの因子なら蝉原と一緒にパクられた。助けたかったら、センエースを完全体にして破壊衝動ごとブチ殺すしかない。というわけで、お前には、ヌルの経験値になってもらう。『お前を経験値にして膨らんだヌル』を食らったセンエースが、蝉原をも飲み込めば、ほぼほぼ確実に『純粋結論』に届く。そうなれば、大体のことはハッピーエンドになる。というわけで、おとなしくヌルに食われろ」




