24話 おしゃべりだけじゃなく、存在値もエゲつないザンクさん。
24話 おしゃべりだけじゃなく、存在値もエゲつないザンクさん。
「――『お人形さんたちの底力に押されて封印される可能性』を考慮して、直前に、ザンクさんを呼び寄せておいたところが、真・神帝の抜け目ない感じやな。ボスが丁寧な慎重派やと、配下は、諸々、安心して行動できる。ザンクさんは、大幹部連中とは違い、真・神帝のことを、『この上なく尊い王』やとは思うとらん。けど、相当に『出来のええ資質の持ち主』であるとは思うとる。というわけで……あんたらを殺して、ボスを取り戻させてもらう。ザンクさんが『望み通りの自由な人生』を謳歌するためには、ボス不在よりも、ボス稼働中の方が、都合がええんよ」
などと、『おしゃべりがえげつないザンク』から距離を取りつつ、
カミノが、しんどそうに歯噛みしながら、
「……超格下の俺ら相手なのに、『オリジナル・ザンク』を呼ぶとか、ヌルの野郎、どんだけビビリチキンなんだ! 俺ら存在値1000兆ぐらいで、ヌルは1京なんだぞ! その戦力差で、普通に助っ人呼ぶなんて、恥知らずもいいところだろ! ふざけんな!! ここまでくると、もはや、『油断しない』とかいう次元じゃねぇぞ! ただただ、頭おかしい!」
心底、ウザったそうに、そう叫ぶ。
「ウザすぎるぅ! ウザすぎるぅうううう! ぐぅ……しゃ、しゃーねぇ! ……もう一回、合体するぞ! そんで、こいつも封印する! それしかねぇ!」
正直、さっきの合体で、全員、体力の大半を使い切っている。
動くのもやっとの状態なのだが、しかし、だからといって寝ているワケにもいかない。
だから、全員、歯を食いしばって、また、合体をする。
そんな彼らを尻目に、ザンクは、ニタニタ笑いながら、
「……ザンクさんて、そんなにウザいかね? ……まあ、ウザいか。ははは。おしゃべりな男って、基本、ウザいもんなぁ。ザンクさんも、そこんところ、理解しとんのやけど、どうしても、口が止まってくれへんねんなぁ。そんな、しゃべりたいってわけでもないと思うねんけど。こいつが、また、不思議やねんなぁ――」
と、また『止まらない自由なおしゃべり』をしはじめるザンク。
そんな彼の視界に潜りこもうと必死の元主人公たち。
『超天才一族・田中家』のナンバーツーが、どれだけエグいか、
その辺の理解は十分にたりている。
『田中の次席』というだけでもエグいのに、
ザンクは、ヌルによる高次カスタムを受けている。
大量に存在するザンクのコピー、
『ザンク・ザンク・レボリューションズ』に、
ヌルは、『無数の経験』を与えた。
レボリューションズは、それぞれが独自の自我を持つ存在ではなく、『全員で一人』という概念。
『ハード(肉体)』だけは、無数に存在するが、
『ソフト(魂)』は、全員で共有している。
共有というか……使いまわしている、と言った方が正しいか。
そして、レボリューションズが回収した『経験値』は、全て、オリジナル・ザンクに注がれる。
その上で、蝉原が回収した『センテラスの器』が、ぶち込まれているので、普通に、プラス・プライマル・プラチナスペシャル『天照坐皇大御鏡』も使用可能というチートぶり。
『狂愛のアリア・ギアス』は、『1001号』だけのものだが、――『1001号が【狂愛のアリア・ギアス】を背負った、というデータ』は、オリジナル・ザンクの中にも刻まれている。




